東大における女子学生の割合は、わずか2割。

「東大は男子がデフォルト」と言われる環境で、自らの道を模索しながら歩んできた女性たちの声を集めた新書『東大女子という生き方』(文春新書/秋山千佳・著)のコミカライズ版が、このたび電子書籍として配信スタート。

 原作の著者・秋山千佳氏が、コミカライズを手がけた東大卒のマンガ家・ハミ山クリニカ氏に、母娘関係、女性のキャリアや進路選択など、“東大女子だからこそ描けたリアル“を聞きました。

ADVERTISEMENT

――初音とイズミには、ご自身と重なる部分もありますか?

ハミ山 初音は身近にロールモデルがいなくてトライアンドエラーで進んでいきますが、そこは大学時代の私も似ていた気がします。イズミのように何でも相談しあえる友達がいればよかったなと、描きながら思いました。だからこそ、脳科学者の中野信子さんの「友達が財産」というお話に頷いたところがありました。

「東大に来てよかったのかも」と思い至る初音

――マンガとしては、初音がイズミという友人を得て変わっていく成長物語でもありますよね。高校時点でやりたいことがあって東大を選んだ中野さんの話を聞いた初音が、「やりたいことが決まってないからこそ東大に来てよかったんだ」と逆の結論も導けると思い至るのは印象的でした。

 

ハミ山 私も含め、受験段階でやりたいことがはっきりしている子のほうが少ないと思うんです。入学後に学部学科を選べるのは、東大ならではの良さですね。ただ、進学選択(※2年生途中までの成績で希望学科に行けるか決まるシステム)があるために、受験をもう1回する感じで泣きながら勉強することになったのですが(苦笑)。私は進学選択を通った後も卒業要件が厳しい学科だったので、大学4年間、勉強以外のことをする余裕があまりなかったという後悔もあります。