クリスマスに母と「父の愛人」が争った“寺西家の伝説”
ROLLY その別宅はパーマ店で、若かりし頃のデヴィ夫人みたいな女性がいて、父はほとんどそっちで生活していた記憶があります。おそらく母公認の関係だったのでしょうね。
(突然、右手の親指を指して)僕ね、ここがちょっと、変なんですよ。
――(親指の関節を触って)関節みたいなものが3つありますね。
ROLLY 普通より、関節が1個多いんですよ。僕はこれをずっと生まれつきだと思っていた。でも10年前くらいに整形外科でレントゲンを撮ったら、先生から「寺西さん、これはごくごく小さい時に骨が折れたけど、治療せずにくっついた後ですよ」って言われましてね。
――ROLLYさん自身にその記憶はないんですか。
ROLLY それが、ないんです。でも今思い返すと「あ、もしかして……」ということはある。父親が、愛人の家に住んでいる時に、じつは離婚話が出ていたそうなんです。あちらの家には子どもがいなかったから、僕は一瞬そこで暮らしたこともあったみたいで。
でもその後、実の母親のところに戻されている。「これにはきっと何かあったんじゃないかな」と。例えば、そのパーマ店の人に何かされて、指が変になったんじゃないかとか思うこともあります。
――うーん、本当ならばドラマのようですね……。
ROLLY 実際、母と愛人の間でいさかいは結構あったみたいですから。ある年のクリスマスに、子ども可愛さにと父がケーキを買って来てくれたことがありました。
それが愛人は気に食わなかったようで、パーマ店の店員さんなのか、子分みたいな人を仕向けてケーキを奪いに来たんですよ(笑)。そうしたら母は「ちょっと待って。子どもの分だけは……」と言って、僕たちの分だけ貰ってケーキを渡した。そんな伝説も寺西家にはあるのです。
――目と鼻の先に夫の愛人がいて、お母さんも苦労されたことは多かったんでしょうね。
ROLLY きっと母もすごく悲しい目にあったはずなんですが、いつも明るく自分を励ましてくれた記憶しかありません。「今の悲しい物語が、いつか役立つ時が来るのではないか」と母は考えていたんじゃないかな、と今は思います。楽観的な性格ではないけれど、前向きな人でした。
小学生のとき、僕は激しくいじめられていたのですが、そのときに母が「悲しいことがあってもいつか役に立つ。そのおかげで心が強くなったって思いなさい」と言ってくれました。いじめられているときは「そんなことを言われても」としか思えなかったのですが、僕にとってその言葉は今でも心に残っていますね。
続く記事では、ROLLYさんが「電気ブタナマズ」と呼ばれ激しいいじめに遭っていた小学生時代の記憶や、それを乗り越えるまでの話などを聞いています。あわせてお読みください。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。
