ロックバンド「すかんち」のフロントマンに加え、ソロ活動も充実させているミュージシャンのROLLYさん(61)。26歳という“遅咲き”でのメジャーデビューを決めた当時は、実家の電器店を継ぐか、音楽の道を続けるかの瀬戸際に立っていたという。

 当時、実家の分店を営んでいた、いとこであるシンガーソングライター・槇原敬之の親からは「バンドを辞めて、うちの店で働かないか」とスカウトされたこともあったと振り返る。当時の心境やギターを始めたきっかけなどを聞いた。(全4回の3回目/続きを読む)

実家は電器店で、一時期は本気で継ぐつもりだったROLLYさん ©文藝春秋/橋本篤

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――ギターを始めたきっかけは、何でしたか?

ROLLYさん(以下、ROLLY) 小学生5~6年生のころ、母の実家に古いクラシック・ギターがあって、いとこからコードの弾き方を習ったのがきっかけです。「4つのコードを覚えたら、何百曲も弾けるようになるんや」って言われて、1週間くらい練習したらギターがね、すごく面白くなってきた。

――それまで楽器を弾く機会はなかったのですか?

ROLLY 家族のクリスマスパーティーみたいな時に、ウクレレを弾いたことはあったかな。家にドラムとかオルガンとか、楽器もありました。お姉ちゃんとバンドを組んだこともありますし。いとこの槇原敬之もメンバーでした。

――なかなか豪華ですね。

ROLLY 一番上のお姉ちゃんがドラムで、もう一人のお姉ちゃんがオルガン、僕はウクレレで、槇原敬之がカスタネットとトライアングル。このメンバーで「ザ・ヤンチャーズ」っていうグループを家族で組んでいました。姉が作った『おばちゃんシクシク』というオリジナル楽曲もありましたよ(笑)。