「内容的にちょっと物足りない」3戦で5得点のジャーメイン良にも厳しい評価

――今回、森保監督はFWを7名登録しています。この数は、代表に必要なポジションであることを示唆しているように見えますが、7人全員がプレー時間を与えられた中、ジャーメイン良は、香港戦で4得点、韓国戦で1得点と決定力の高さを見せました。

 初戦で4発を決めたけど、その決定力は彼の持ち味であるし、結果を残したことは良かったと思います。でも、相手のプレッシャーがほとんどなく、そんなに難しいゴールじゃなかったですからね。

 海外組中心の日本代表のワントップを張るとなると、ボールをもっと収めないといけないですし、内容的にちょっと物足りないですね。

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――韓国戦のゴールは、簡単そうで難しいシュートでした。

 相馬(勇紀)からのボールがかなり回転していたし、ボールが相手DFに当たってゆっくりになっていたので、難しいボールだったと思います。それにしっかり合わせてゴールに運べるというのは彼の能力の高さです。

 一度、堂安(律)や久保(建英)と絡んでどんなプレーをするのか、見てみたいですね。

韓国戦でも1ゴールを挙げたジャーメイン良

――ジャーメイン以外に、気になるFWはいましたか。

 ジャーメイン以外で得点したFWは中村(草太)と細谷(真大)だけ。細谷は前から代表に呼ばれているし、中国戦の反転からのシュートは見事だったけど、前と大きく変わった感じはなかった。

 宮代(大聖)は、周囲と噛み合い、連係がうまくいくようになると面白い選手かなと思うけど、韓国戦はシュートを1本も打てず、守備に忙殺されていた。

 大関(友翔)もいい選手だけど、良さを発揮できなかった。チャンスを与えられた試合でそれができないのは、まだまだってことだと思います。

「あのレベルの相手ならゼロに抑えないと」香港に1失点した守備陣への苦言

――センターバックは冨安健洋を始め、ケガ人が多く、新たな人材が求められています。レギュラーメンバーを脅かしそうな選手はいましたか。

 安藤(智哉)は高さがあるし、1対1でも戦えるのでいい選手だなと思うけど、高井(幸大)が出てきた時のようなインパクトを残せたかというと難しい。

 香港戦は相手のレベルが低いので十分戦えたけど、韓国戦では裏を取られるシーンもあり、周囲とのコミュニケーションが足りていないのが見て取れました。

 即席で作ったチームなので、そこまで求めるのは厳しいかもしれないけど、違いを見せるまでには至っていない。

 安藤も含めて古賀(太陽)や荒木(隼人)らは今後、バックアップ的な選手として招集されることはあると思うけど、レギュラーに割って入るのは厳しいかなと思います。

――GKは、早川(友基)とピサノアレクサンドレ幸冬堀尾が初招集され、ふたりともプレーする時間を与えられました。

 ピサノアレクサンドレは、香港相手に1失点したけど、あのレベルの相手なら守備陣と連係してゼロに抑えないといけないでしょう。

 早川は中国戦で好セーブを見せたけど、鈴木彩艶や小久保玲央ブライアンとかと比べると、まだ代表の域にはないかなと思います。

 大迫敬介は韓国戦で好セーブを見せて、勝利に貢献しましたが、世界のレベルは韓国とは違うので、今後は強豪との試合で起用されるかどうか、そこでどんなプレーを見せるかで、序列が変ってくるかもしれないですが、現状は彩艶ら主力と少し差がありますね。