被害者の数は40人……医師による治療と偽って、多くの少女にわいせつ行為を働いた元教師の男。逮捕された男にくだされた罰とは? 勤務先だった塾の経営者が語った、その人となりとは? なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

◆◆◆

犯人が逮捕された理由

 岡田が逮捕されたきっかけは、「保健センター職員」を名乗る男からの電話が同一地域に集中的にかかり、約20件の通報を受けた警察が地元の中学校に呼びかけて、教師らが生徒に注意喚起したところ、「心当たりがある」と数人の少女が名乗り出たためだ。

ADVERTISEMENT

 そのうちの1人の少女が覚えていた車のナンバーから、岡田の犯行が浮上。岡田は預金を700万円も持っていたため、起訴された事件の5人の被害者にそれぞれ100万円の示談金を提示したが、わいせつされた4人の被害者にはいずれも拒否された。

 法廷に現れた岡田は弱々しく、検察官に事件を起こした原因を問われ、「自分の意志が弱かった」などと述べた。

検察官:あなた、前回の事件のときは学校の先生だったんですよね。意志が弱いなら対策は?

被告人:頭が回らなかった。対策は取らなかった。

検察官:カウンセリングに通うとか、何らかの対策を講じることはできるじゃない。やめる気がなかったのでは?

被告人:そう言われれば、そうかもしれません。

検察官:やめる気持ちより、そういうことをしたい気持ちが勝ってた?

被告人:そうですね……、感覚が麻痺していたとしか言いようがない。

検察官:今回の被害者はみんな中学生の女の子ですよね。どういう影響を与えると思う?

被告人:重い傷というか……。

検察官:忘れられることじゃないですよね。前回の事件のとき、考えませんでしたか?

被告人:……。

 さらに裁判官からも質問があった。