佐藤 それに、日本人の若者たちは自分を過小評価しているだけで、僕は日本の教育ってめちゃくちゃすごいと思うんです。義務教育を受けるだけで、まずモラルや道徳心がしっかりしている。
それなのに、周りの日本人と比べることによって自己肯定感が低くなるのはおかしいじゃないですか。日本人は何か一つ教えるにしても、すごく器用ですし、「あなたはすごいんだよ」ということを、僕はケニアに来ることで日本人の若者に知ってほしいなと思います。
――ケニアに行くことで、自分の魅力にも気づけそうですね。
佐藤 そうなんですよ。実際、僕はケニアに来てから「ちゃんと自分に出会えた」という感じがしています。はじめて、自分の本音が聞けた気がしました。
ケニアを体験するきっかけになれば…ケニア人とのコント動画を配信
――その中で、今感じている課題や目指す道を教えてください。
佐藤 ケニアは貧困や失業率の高さが問題になっているので、日本人にケニアでの生活を体験してもらうようなソーシャルビジネスができたらと思っています。
ただ、アフリカの他の国で出会った女性から「あなたはなんでケニアにいるの?」と聞かれたことがあって。僕が「貧困問題もあるし、雇用を生むことで彼らを助けたい」と答えたら、「あなたが支援しなくても、彼らは幸せだけどね」と言われて、「ああ、本当にそうだな」と。
ケニアには大変なこともたくさんあるけど、それを笑顔で乗り越えられる元気さとバイブスがある。そう考えると、先進国のエゴだな、とも思うんですけどね。
――それでも、まずはケニアの魅力をSNSで発信していこうと。
佐藤 僕と同じようにケニアに惹かれる人もいると思ったので、4年前にTikTokを始めました。僕には芸人になりたいという夢もあったので、ケニア人とのコント動画を撮ってみたんです。昔、日本でも(ナイジェリア出身の)ボビー・オロゴンさんが一斉を風靡しましたし、“ケニア人が日本語をしゃべる”というギャップが絶対にウケると思いました。
――さまざまな支援の方法がある中で、動画での発信を選んだのはヒットを確信していたから?
佐藤 そうですね。それでケニアに関心を持ってもらえたら、ケニアに来たいと思う人もきっと増えてくれる。一度ケニアに来てみないと、ケニアの良さも、日本の良さもわからないので、それを体験するきっかけになればいいなと思っています。
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