YouTubeに求められているのは“癒し”や“笑い”

――普段、佐藤さんはどういったスケジュールで動いているんですか?

佐藤 僕は毎日、動画編集をしたり、YouTubeをメインでやっています。メンバーはケニア4部リーグのサッカー選手でもあるので、毎日練習があるんですよ。なので、一応、雇用という形をとっているんですが、週3~4回動画を撮影したり、オンラインコミュニティに参加してもらうような感じです。

――仲がいいとはいえ、衝突するようなこともありますよね?

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佐藤 衝突したときには絶対にうまくいかないので、距離を置くようにしています。本当はそういう裏側も見せてもいいのかなと思いますけど、やっぱりYouTubeでみんなが求めているのは、“癒し”や“笑い”なので。モラルや人間関係が崩れたら、すぐに終わってしまうチャンネルだと思っているので、そのあたりのマネジメントはしっかりしています。

人気の動画は日本食を初めて食べたときのリアクション

――動画を撮影する中で、メンバーに驚かされたことは?

佐藤 彼らはひたすら豆を食べていて、食生活に新しい刺激を求めていないんですよね。たとえば刺身があったとして、ケニア人が想像するのは川魚なので、ものすごく怖がって食べられなかったり、ステレオタイプを持っている人が多い気がします。その分、日本食を初めて食べたときのリアクションは最高ですね。反応がフレッシュで楽しいんですよ。

――たしかに、たけしさんたちが日本食を初めて食べる動画は人気がありますよね。

佐藤 そうですね。演出は一切なしで、完全に向こうの反応任せにしています。

 みなさん知ってる通り、ケニアの人は目がめちゃくちゃいいんですけど、「これは魚の出汁だ」とわかるくらいに舌もいいですし、耳もすごくいい。僕が話した日本語を10文字くらい完璧に返すことができるので、だからこそコントができたりするんですよね。五感がすごく研ぎ澄まされていて、そこにとても驚きました。

――動画で「これバズるんだ」と意外に思ったものはありますか?

佐藤 ダンス動画みたいなものがバズるんだ、とは思いました。僕は正直、あまり流行りのミームが好きじゃないんですよ。でも、日本でトレンドになった「エッホエッホ」をケニア風味にした動画が1週間で1000万再生されたので、「ちょっといいこと見つけちゃった」という気持ちです(笑)。

 でも、僕は芸人になりたかったということもあって、やっぱりコントで認められたいんです。毎回毎回すべてバズるための動画を出したいわけではなくて、自己満の動画があったり、みんなを励ます動画があったり、いろいろなテイストを混ぜながらやっていけたらいいなと思います。