“大化け”していた大阪

 大阪の現状が気になった私は、帰国後、道頓堀や大阪城、左右に大型のブランド店が立ち並ぶ御堂筋を歩いてみた。大袈裟ではなく、行き交う人の95%が外国人だ。大阪城に至っては、遠足の小学生以外、ほぼ全員が外国人観光客だった。

 グリコの看板前は写真を撮ったり、ライブ配信をするインバウンド客で大賑わい。くいだおれ人形の周りは、さまざまな国籍の人々で溢れかえり、たこ焼きや和牛の串刺し、イカの丸焼き、焼きタラバガニに食らいついていた。平日の午後にもかかわらず、まっすぐ歩けないくらいの混雑に、一緒にいた海外経験の長い友人は、「正月のタイムズスクエアよりすごい」と言った。

 その後、黒門市場、通天閣やジャンジャン横丁のある新世界も歩いたが、道頓堀の戎橋で見た状況と変わりなかった。夜の大阪ミナミも同様だ。大阪観光局によると、4月に大阪を訪問した外国人観光客は単月で154万7000人に達し、過去最高となった。

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観光客で混雑する大阪の心斎橋 Ⓒ時事通信社

 大阪でこの光景を実際に目にして初めて分かった。なぜ香港で会った人々が「ホテルや民泊用不動産があれば、すぐにでも買いたい」と口を揃えて言っていたのか。

※本記事の全文(約8500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と、「文藝春秋」2025年8月号に掲載されています(吉松こころ「中国人が日本で爆買いする理由」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
・ビザ取得が目的の“起業”
・不動産ではなく会社ごと取得
・稼ぐ能力が身につく不動産業
・東京の魅力はどこにあるか
・外資を締め出せば済むのか

出典元

文藝春秋

【文藝春秋 目次】永久保存版 戦後80周年記念大特集 戦後80年の偉大なる変人才人/総力取材 長嶋茂雄33人の証言 原辰徳、森祇晶、青山祐子ほか

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