新潟在住のISEYAさんは、SNSでロリータファッションやイラストを発信し、中国のロリータブランドのデザイナーも務めている。高校時代に90キロあった体重、ファッションに全く興味のなかった学生時代から、どのように変わったのか。彼女の体験を聞いた。

学生時代のISEYAさん

「整形ってタイパだと思うんです」

 ISEYAさんがロリータファッションと出会ったのは、高校生の時に初めて足を運んだヴィジュアル系バンドのライブだった。

「ライブでは黒服というドレスコードがあったので、私も黒いTシャツに黒いパンツで行ったんですけど、みんなと全然違うんですよね」とISEYAさんは当時を振り返る。周りの観客は"ゴスロリ"を着こなしており、自分だけが浮いていた感覚を味わった。

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「自分だけが違う恥ずかしさもあったし、自分も同じ世界観に浸れた方が絶対楽しいだろうと思って」と、ロリータファッションを始めるきっかけを語る。

ISEYAさん 写真=榎本麻美/文藝春秋

 しかし当時のISEYAさんには大きな壁があった。体重が90キロを超えていたのだ。

「それまではよくいるオタクって感じでした。家で漫画読むか、ゲームしかやってない陰キャの中学生で。内向的だし、友達もいないし。服も親から与えられたものを着ていました」

 ロリータと出会ってから「三次元にハマって自分という存在を認識し始める」ようになり、鏡を見て「ちょっとダメじゃん。これじゃダメじゃん」と思ったという。「痩せた方が幅広い服が着れるな」と思い、ダイエットを決意した。

 食事制限を中心に、10年かけて現在の体重50キロ後半まで減量。現在は、ロリータファッションの重さに耐えるため、体力作りのためにジムに通っている。

「ロリータってかなり重いんですよ。重いものだと4キロくらいあるので、着ているだけでもかなりの体力を消耗します」とISEYAさんは説明する。

 見た目を気にすることについて聞くと、「『口がもっと大きかったらいいな』とか『骨格がこうだったら』とか見た目のことを気にしたらキリがない」としながらも、「整形ってタイパだと思うんです。たしかに楽にはなるけど、その分メイクの時間は減ってしまう」と持論を語る。

「私はお化粧という娯楽をやってるので、時間をかければかけるほど楽しいんですよ。やっぱり自分に時間をかけることや自分で何かを作り上げることが好きなんです」

 現在のISEYAさんは、ロリータファッションを通して内面も変化したという。「コミュニケーション能力がちょっとだけ上がった気がします。見た目が非現実的な格好をしてるから、饒舌になれるというか」と語る。

「やっぱり体型を変えられたという成功体験を得ることによって、自信がつきました」と、ダイエットの成功が自信につながったことを明かした。

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