「それまでの私は、親や先生の期待に応えてばかりで、『自分はこれをやりたい!』と強く思うことがなかったんです」

「合格した大学に入学して、採用された会社に入社して、上司に誘われたプロジェクトで仕事をして……流れに逆らうことなく生きていました」

 宇佐美さんにとって、ストリップ劇場での仕事は「初めて自分の意思で選んで、親に嘘をついてまで始めた仕事」だった。今でもご両親には内緒で、「この間マネージャーになったよ」などと会社員を続けているような話をしているという。

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ストリッパーになってから感じた“仕事の喜び”

 ステージに立った時の裸になることへの恥ずかしさについて聞くと、「全然なかったですね。デビューしてから今まで、『脱ぐのが恥ずかしい』と思ったことは一度もありません」と答えた。

「自分が楽しんでいて、さらにお客さんも盛り上がっていると、劇場がなんとも表現しがたい良い空気で満たされるんですよ。そういう雰囲気を味わえると『ここが私の人生の頂点だ』と感じます」

 宇佐美さんは会社員時代の仕事とストリップの違いをこう語る。

「私にとって会社員時代の仕事は『できること』で、ストリップは『やりたいこと』なんですよね。会社員時代は自分のできる仕事、周りに求められている仕事をして、喜んでもらうのがやりがいというか、楽しさだったんです」

「一方で、ストリップは自分がやりたいからやっている、という気持ちが強いですね。自分がやりたいことをやって、それを観たお客さんが喜んでくれる、というのは会社員時代とは違った仕事の喜びを感じます」

 今後のキャリアについては「何にも考えてないです」と笑う。

「ストリッパーとしてもっと人気になって、めちゃくちゃ有名になりたいとか、もっとストリップ業界の規模を大きくして、商業的に成功させたいみたいな野望もなくて」

「これまで過ごしてきたような良い時間、良い日々ができるだけ長く積み重なっていけば幸せだな」と語った。

 

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