冨永 変わりましたよ。特に待遇面ですね。16歳以下の子は保護者同伴じゃないと駄目、裸や下着姿の撮影やファッションショーには起用しない。待機場所に食事をちゃんと置いておこうとか。とにかくみんな優しくなりました。モデルを人として見るようになったといいますか。
成田 さらに変わるべきなのは?
冨永 強いて言うなら、ギャランティでしょうか。特にメンズ。雑誌の専属モデルといっても月2回くらいしか撮影がなくて、ギャラは1回2万円くらい。
成田 それってどうやって生活するんですか?
冨永 働くしかないですよね。みんなバイトしてますよ。
成田 じゃあ、モデルという仕事だけで生活していける人は、ほぼ存在しないってことになりますか。
冨永 一握りもいないんじゃないですか? いや、一つまみか。
成田 ますます夢見ちゃいけない業界だということがわかりました(笑)。その火傷するようなヤバさが魅力でもあるんでしょうけど。(構成 伊藤秀倫)
※この対談の全文(約7000文字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(冨永愛×成田悠輔「日本のファッションは、このままでは駄目ですか?」)。
・ランウェイで裸に
・興味があるのは日本のこと
・東京の没落
・ファッションの不純さ
・人生の真ん中がきつい
■連載「成田悠輔の聞かれちゃいけない話」
第1回 米倉涼子「独立して扱われ方が変わりましたよね。ギャラとかも」
第2回 隈研吾「大きな新築は宿命的に炎上するんじゃないかな」
第3回 上野千鶴子「あなたは世代間対立をあおっています」
第4回 横尾忠則「僕は病院が好き。自分を知る『哲学』になるから」
第5回 野田秀樹「演劇ほどコスパの悪いもの、なかなかないですよね?」
第6回 冨永愛「日本のファッションは、このままでは駄目ですか?」<<この記事
出典元
【文藝春秋 目次】永久保存版 戦後80周年記念大特集 戦後80年の偉大なる変人才人/総力取材 長嶋茂雄33人の証言 原辰徳、森祇晶、青山祐子ほか
2025年8月号
2025年7月9日 発売
1700円(税込)
