オリコン週間チャートでは5位に、V系バンドマンとして誰もがうらやむセールスを記録したのに「僕にはもう、音楽を伝える資格がなくなった」と涙した理由とは……? かつて人気ヴィジュアル系バンド「ν[NEU](ニュー)」のベーシストとして活躍し、引退後はエステティシャンに転身したヒィロさん(42歳)。彼が音楽をやめた理由とは? セカンドキャリアに「美容のプロ」として生きることを決めた理由とは?(全2回の1回目/つづきを読む)
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メジャーデビューして直面した「シビアな現実」
――バンドが目標としていたメジャーデビューを果たしたのに、「苦しかった」のはなぜだったのでしょうか。
ヒィロ プロジェクトの規模が大きくなると、関わる人達からのプレッシャーや、求められる基準が高くなりました。その環境についていく実力がなかったのだと思います。
デビュー曲は、人気番組のタイアップをとっていただき、売れる予感しかありませんでした。しかし、メジャーデビューをするとインディーズ時代のお客さんが離れてしまう傾向があったんです。調子に乗っていた僕は、そこに気がつきませんでした。メジャーデビュー初のワンマンライブは思ったよりも客席が埋まらず……。頑張って、2回目のワンマンライブはそこそこ集客できましたが、終演後にクビを言い渡されました。
――そんなに早く見切りをつけられてしまうんですね。
ヒィロ しかし、お世話になっていたプロデューサーが、2社目のレコード会社に連れて行ってくれました。今度こそ売り上げを伸ばすため、CDを5タイプ作り、撮影会などのイベントも多数開催した結果、オリコン週間チャートで6位に入ったんです。しかし期待には届かなかったようで、またクビだと。このあたりから、メンバー達と仲違いすることが増えました。
――メンバー間の関係が悪くなってしまったのは、なぜだったのでしょうか。

