「僕は『変わらないといけない』と言いたいのではなく、自分がやって楽しかったことを伝えたいだけなんです。『悩んでいるより、ヴィジュアル系バンドでも何でも、やってみたほうが楽しいよ』って」
少年時代はいじめられっ子、青年時代は人気V系バンドのベーシスト、そして現在は「予約の取れない人気エステティシャン」に変身したヒィロさん(42)。いったいなぜ彼はここまで変われたのか? インタビュー最終回では、「2回の変身の理由」を直撃した。(全2回の2回目/最初から読む)
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独立して「最初の3ヶ月」はつらかったが…
――ミュージシャン引退後、エステサロンを開くために、どんなことをしたのですか?
ヒィロ まずは経営セミナーに通いました。同時に、美容スクールやボディケアスクールを掛け持ちしながら、解剖生理学なども勉強し、10ヶ月ほどかけてエステサロン開業に必要な知識は全て習得する努力をしました。
店の立地は、アクセスの良さと知名度の高さを重視して、渋谷駅徒歩6分の物件に。バンド時代の貯金を使い果すつもりでフルリフォームし、理想のエステサロンを作り上げました。「オープン1年で、予約の取れないエステを作る。達成できなければ店を閉める」と決め、プライベートエステサロン「Dear Lily」を、2016年にオープンしました。
――反響はいかがでしたか?
ヒィロ 最初の3ヶ月は、かなり集客が厳しかったです。それでも毎月経費は出ていくし、「予約の取れないエステ」にしなければ閉めなければいけません。バンドという大切な存在を壊してしまった経験から、絶対にお店を失いたくないと思うようになり、必死で打開策を考えました。
――どうやって集客したのでしょうか?

