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千里は日頃、夫をまったく無視していたわけではなく、SNSで「こちらは相方の作品なんですが」と夫の作品を紹介したり、夫婦そろってハンドメードマルシェなどに作品を出品したりしていた。
近所から見ても、「奥さんは見た目が派手な人ではなく、大人しい感じ。夫婦仲も良さそうに見えた」という。
だが、千里の夫は2人の関係に気付いていなかったとはいえ、千里の部屋で妙なものを見つけたこともあった。
たとえば、注射針のついていない巨大な注射器である。千里に「何のために使うのか?」と聞くと、「痔の薬を入れるときに使う」とのことだった。
首輪やコスプレの服を見つけたこともあった。それでもこれらが必要な理由が分からず、「何でこんなものがあるんだろう?」と首を傾げているだけだった。
不倫相手の頭をクロスボウで…
事件当日、セックスを終えた千里は睡眠薬の入ったコーヒーやトウアズキの入ったサラダを熊野さんに差し出した。
何の疑いもなく口にした熊野さんは眠気に襲われ、やがてトウアズキの毒性に苦しみ始めた。
そのとき、熊野さんのスマホに妻からの着信があった。それを見た千里は嫉妬をメラメラと募らせ、反射的にクロスボウを用意し、熊野さんの後頭部に向けて矢を2発放った。
さらにペティナイフで背中を刺した。熊野さんともみ合いになり、胸部も刺した。熊野さんは出血性ショックで死亡した。
千里はホテルから出る際、「人を刺した」とフロントに告げた。従業員の110番通報で警察が駆けつけ、千里は殺人容疑で逮捕された。
