なぜYouTuberになったのか?
一昨年末のSMAP解散後、昨年にはジャニーズ事務所を退所し、稲垣吾郎と香取慎吾と公式ファンサイト「新しい地図」を立ち上げた。昨秋は3人で生出演したAbemaTVの『72時間ホンネテレビ』が話題を呼んだが、このとき、稲垣がブログに、香取がインスタグラムに、そして草彅がYouTuberに挑戦することになった。ほかの二人がそれぞれ適任のメディアを選んだので、自分は残ったものを選んだと話しているのが(『サンデー毎日』2017年11月12日号)、いかにも草彅らしい。YouTubeには現在もコンスタントに動画を配信中で、愛犬とたわむれる姿など、俳優業やコントとはまた違う一面を見せている。
今年に入ってから、『NHKスペシャル 未解決事件 File.06 赤報隊事件』のドラマ編、稲垣と香取と出演したオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』と、出演作の放送・公開があいついでいる。同時期には『サンデー毎日』が、草彅の主演作で好きな作品を教えてほしいとファンにアンケートをとったところ、『任侠ヘルパー』が1位となった。ただ、本人は同じ質問に対し、《全部忘れちゃっているような気もするんですよ(笑)。極論すると、どんどん忘れていかないと次ができない。自分が演じきった後は、「見てくれたみなさんが作品を可愛がってください」という気持ちになって、何一つ残ってないんだよね》と答えている(『サンデー毎日』2018年2月4日号)。
最近ではまた、2012年に映画『あなたへ』で共演した名優・高倉健を振り返った記事で、高倉からは「自分で限界を決めないこと」を学んだと明かしていた(『週刊朝日』2018年3月2日号)。つかこうへいや高倉健ら大先輩の教えを胸に、常にまっさらな気持ちで、新しいことに挑戦し続ける草彅剛。筆者はいまだに華とは無縁ながら、歳を重ねるごとに深みのある演技を見せ、光り輝いていく彼から、いつも励まされている。