今年は6月中旬からソウル市各地にラブバグが出現。さらに同月末には、仁川市の桂陽山をラブバグが覆い尽くす事態となった。市街地と隣接する海抜395mの桂陽山は、地元住民が散策する憩いの場。だがその登山道や休憩所に、寿命の尽きたラブバグの死骸が数cmの厚さで一面に降り積もる…という地獄のような様相が繰り広げられた。

 ラブバグは、7月中旬までに産卵を終えて死滅。だが暖かい環境で越冬したその子供が、来年さらに広い範囲で大量発生することが懸念されている。また専門家は、ユスリカ、ウスバキトンボ、オオチョウバエ、カゲロウなども、同じように今後の大量発生が予想されると指摘。国会では野党議員が「ラブバグ防止法」を発議するなど、早急な対策に向けた法整備も議論中だ。

信号待ちする歩行者用の「日除けパラソル」も急増中

 あまりの暑さに、近年は街角で「スマート日除けパラソル」を見る機会も増えてきた。都市部の交差点などで、信号待ちする歩行者に日陰を提供する設備だ。日中は気温や風力をモニタリングしながら自動で日除けシェードを展開・収納しつつ、ディスプレイで気象情報などを提供。電力はソーラーパネルで供給する。夜間は街路灯代わりとして、防犯にもひと役買っている。

ADVERTISEMENT

信号待ちが発生する場所などにパラソルが設置されることも増えてきた ソウル市冠岳区公式サイトより

 そのほかアパレル業界は、機能性冷感ウェアや防水加工製品などの展開に力を入れる。夏のような気候が長期化する「ロングサマー」を新たな成長市場に据え、従来の季節マーケティングからの脱却がトレンドとなっている。

 韓国気象庁の予測によると2100年のソウル市の平均気温は、最もマイルドな予測で2024年の14.9度に対して15.7度。韓国の政府も産業界も、変わり続ける世界のニューノーマルに対応すべく躍起になっている。

次のページ 写真ページはこちら