早くからネット通販やフードデリバリーが生活に密着してきた韓国だが、今年の異常な猛暑で7月に配達業者3人が相次いで死亡し、韓国社会にショックを与えている。
亡くなった配達業者は、3人とも男性。年齢は43歳、51歳、53歳だ。2人は出勤後間もなく倒れ、1人は仕事を終えて帰宅した後に意識を失い、搬送先の病院で息を引き取った。いずれも熱中症と見られている。
暑さのせいで仕事中に命を落とすのは、配達業者だけではない。7月7日には慶尚北道亀尾市で、マンション建設に従事していた23歳のベトナム人男性が亡くなった。午後4時頃にトイレへ行くと言って現場を離れた後、地下室で死んでいるのが見つかったという。
熱中症で死亡する高齢者が後を絶たない
同月8日にはまた京畿道高陽市の大型スーパーで、カートの整理をしていた60代の男性作業員が死亡。25日には南西部・慶尚北道浦項市で、除草作業を終え同僚たちと下山中だった40代のネパール人男性が急死している。そのほか農作業中の高齢者や中高年が熱中症で亡くなるケースも、後を絶たない。
韓国は緯度でいうと、最南端の済州道(済州島)が福岡市、最北端の江原道が仙台市あたりに相当。首都・ソウル市は、ちょうど新潟市あたりだ。大陸性の気候で冬は寒さが厳しい一方、空気が乾燥しているので夏は日本より過ごしやすいといわれてきた。
だがそれも過去の話だ。今年7月8日、ソウル市から近い京畿道の光明市と坡州市でそれぞれ40.2度と40.1度の最高気温を観測。首都圏で気温が40度を超えるのは、観測史上初めてだ。同日にはその周辺やソウル市内の一部地域でも、同じく39.4~39.5度を記録した。
首都圏一帯の高温はその後も収まらず、同月26日に京畿道広州市で40.5度、27日に同安城市で40.6度、またソウル市内でも38~39度と、記録破りの暑さが続く。ソウル市は同月23日、総額195億ウォン(約20.8億円)で低所得層に冷房費用を支援すると発表した。
