事務所で毎日のように体重計に乗せられた
――演技のレッスンの他にボクササイズも?
紗綾 ボクササイズじゃなくて、もろボクシングです。10代の女の子って、どんどんぷくぷくしていくじゃないですか。だから事務所で毎日のように体重計に乗せられるし、マネージャーさんからも顔を合わせるたびに「痩せろ痩せろ」って言われるんです。
あらゆるダイエットを試したんですが、ボクシングが一番効果があるというんで、半強制的にジムに入れられて、会長からマンツーマンで習いました。
――それでも、拳で男の人をやっつけられるという自信がつくほど、のめり込んだんですね。
紗綾 写真集の撮影が終わってもグラビアの仕事は続くから、ずっと続けていたんです。しかも、私のマネージャーさんは、元アクション女優さんを担当されていた方だったから、すっごいスパルタなんです。
ミット打ちなんかも、大概3ラウンドくらいでいいんですが、そのマネージャーさんが「彼女は12ラウンドはやってた」とか言うんです。じゃあ私はそれを超えなきゃと躍起になって、16ラウンドぐらいやっていました。会長さんからは「今すぐプロデビューできる」とお墨付きをもらうほどに。ジムが休みの日以外は、仕事の前か後に毎日ボクシングするという生活を2年間続けました。ダンスをやっていたからか、形はかっこよく決まるんですよ。
それで、アクション映画のオーディションにも受かったことがあったんです。それを機に殺陣も習いはじめました。
――そこまで極めていたボクシングをやめたきっかけは、もうがむしゃらに体型の維持に努めなくてもよくなったからですか。
紗綾 そんなことはなくて、ダイエットは続けないといけなかったです。でも、減量を失敗する要因の一つにストレスがあると思うんですが、ボクシングを続けていくことで、体調的にも精神的にもどんどんストレスを感じるようになっていって。
減量を終えた途端にスポンジのように体重が戻っちゃう。痩せてはリバウンド、その繰り返しになってしまったのでやめました。
写真=原田達夫/文藝春秋
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