――生活やプライベートな面で事務所から制限されることはなかったんですか?
紗綾 事務所に所属していたときは、毎日起きたら「おはようございます」、家に帰ったら「帰宅しました」と連絡するように言われていましたが、厳しくはなかったです。校則では男女交際を禁止されていましたけど、事務所からは「恋人ができたら言ってね」と言われていたくらい。でも、スキャンダル報道は一切出ませんでしたね。この通り、めっちゃサバサバ女で、ごく普通に生活していましたよ。
負けず嫌いな性格でストーカーに反撃
――とはいえ、メディアへの露出が増えると当然ファンも増えますし、そのなかにはいろんなタイプの方がいたと思うんですが。
紗綾 ファンの方にはイベントで会うくらいで、特に困るようなこともなかったなぁ。いまみたいにSNSで連絡を取れる時代じゃなかったですから。でも、20代前半のころ、ストーカーみたいな人はいましたね。ファンなのかマスコミの人なのか、いまだに謎なんですけど。携帯電話で写真を撮られたり、同じバスに乗ってきて距離を詰められたり。マンションの下から最寄りの駅までつけられたこともありました。それも男の人2人体制で。
――事務所や周囲の人に相談しなかったんですか?
紗綾 したんですけど、その時は真摯に受け止めてもらえなくて一人で怖がってました。ただ、私、もともと負けず嫌いな性格なんで、反撃したんです。自宅の最寄り駅の近くからつけられているとわかったときに、途中で相手を撒くようにしてサッと隠れて、私を見失った男の人が「あれ? 紗綾どこ?」みたいな感じでキョロキョロしているところを、私が目の前に現れて撮影し返し!
――たくましいけど、かなり危険な行為ですよね。
紗綾 そうですよね。向こうは「あ、撮られた!」みたいな顔をしていました。私は駅に戻って改札の中に逃げたんですけど、警察に被害届を出すにも証拠が必要だと思ったので、逆に撮ってやれ! みたいな。
――なかなか強いですね。
紗綾 当時、ボクシングをやっていたから、いざとなったら自力で倒せるという自信もあったんです。
