樽の重さは20キロ、膝も肩もアザだらけ…過酷すぎる仕事内容

――細かいお金がどんどん積み重なっていく感じなんですね。最高で1日いくらぐらいになったんですか?

ぽぽちゃん えーっ、細かく覚えてないんですよ。だいたい売り上げが10樽でそれが250杯くらい。そこに達成賞がつくので1日で1万円を超えるくらいですね。私は最高で400杯ぐらい売ったことがあります。

ビール売り子時代のぽぽちゃん ©ぽぽちゃん

――1日1万円を超えるなら結構いいバイトですね。ただ売り上げの低い子はなかなかシフトに入れないとも聞きました。

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ぽぽちゃん 売り子は出勤調整があります。あと1か月のシフトを出す時に、1か月全部出られますと出勤表を出すと、出勤調整がかかってもかからなくても1万円もらえました。

 なので、ある程度お客さんがついて安定した売り上げのある子たちは売り子を辞めないんですよ。大学も辞めて、ずっと売り子をやっている子とかも結構いますよ。

――ただ体力的には過酷な仕事ですよね。ビール樽は重い上に、階段を上り下りしないといけないですし。樽とかの重さってどのくらいなんですか。

ぽぽちゃん 20キロくらいになります。でも売っている間って、実は体のキツさがわからないんですよ。お客さんがいるし、頑張らなきゃって思うので。ただ仕事が終わった後にどっときます。すごい筋肉痛で動けなくなるし、膝も肩もアザだらけです。勲章ですね。

 

しゃがんでビールを注がないとクレームに

――そういえば売り子さんはハーフパンツなのに、ビールを注ぐ際に必ずヒザをつきますよね。あれってなぜヒザをつくんですか。

ぽぽちゃん あれは観戦障害防止のためなんです。後ろのお客さんとかが見えなくなっちゃうから、しゃがまないとクレームに繋がりやすいんです。

 クレームに繋がると、会社全体で「出し」って言うんですけど、ビールの売り始めの時間がペナルティで10分遅くなったりするんですよ。お客さんってまず1杯目のビールを早く飲みたいじゃないですか。だから「出し」の10分が結構売り上げに響くんです。

 ヒザ以外でも、樽を背負っているので両肩から両脇にかけて黒ずみができます。今はもう消えましたけど、当時はタオルを入れて防いでいました。あと、どうしても肌にビールがつくので、肌荒れします。私はそうでもなかったですけど、先輩とかはもう片手がガサガサでした。