なお車内での夫婦喧嘩の末に、妻を置き去りにしてしまう夫は一定数いるようで、ネット上にも「高速のパーキングで置いていかれた」などの経験談が散見される。
置いていった方は頭に血が上り、「目の前のストレス」から逃れることしか考えられなくなっているのだろうが、置いていかれた側としては一発で「離婚案件」になる振る舞いである。
パーキングはまだまだ先、膀胱は限界…
渋滞で多くの人を窮地に追い込むのが「トイレ問題」だ。ノロノロ運転で車は進まず、ようやくたどり着いたサービスエリアも大混雑。小さな子どもはもちろん、大の大人であっても「限界」を迎えてしまうケースはあるだろう。
東京都に住む40代男性の村田さん(仮名)は、家族3人で長野にある実家へと帰省したあとの帰り道、なんとも苦い経験をすることになった。
「帰りはUターンのピークとは少しタイミングをズラしたので、途中までは割とスイスイ動いていたんです。そのまま1時間くらいで着けるかな、と思っていたのですが、東京に入る手前で『この先事故渋滞4キロ』という表示があって。
ちょうど渋滞に入る前にサービスエリアがあったので、一応トイレに寄っておこうかと思いましたが、SAに入ろうとする車列が本線まで続いていて……。時間のロスが惜しくて、スルーしてしまったんですよね。
ですが、間もなく渋滞にさしかかると、想像以上に車の流れが悪く、もはや歩いた方が早いようなペースでした。「いつになったら解消されるのか」と思うと、尿意がどんどん激しくなっていって。
もうダメかも、と最悪の事態が頭をよぎったとき、少し先に高速のバス停が見えたんです。『バス停ってことは、道路の外に通じているのでは?』と思い、車をそっちに寄せてみると、やはり出入りするための扉がありました。
もうモラルや法律など気にする余裕もなく、階段を降り、そのまま道端で……。罪悪感がすごかったですし、車に戻ったときの『パパおしっこしてたの? 手洗った?』という息子の声に、なにか人として大事なものを失った気がしました」
トイレは「やむを得ない事情」にあたるのか?
高速道路上ではSAやPAなど指定場所以外での駐停車が禁じられているので、事故や故障でやむを得ない場合を除き、一般車両がバス停や路側帯に車を止めることは道交法違反にあたる。
トイレが「やむを得ない事情」にあたるかどうかは、現場の判断による部分もありそうだが……。いずれにせよ、道端での立ち小便も、軽犯罪法に触れる行為である。「切迫した状況では細かい法律など気にしていられない」というのも理解できるが、そうした状況に至る前に、なるべく余裕をもったトイレ休憩を心がけたい。
