特にボンジーノは自身のポッドキャストでエプスタイン・ファイルの公開を語り続けてきた経緯があり、ファイル非公開の決定は自身の立ち位置を危うくするものだ。ボンジーノは一度は辞任を考えたものの、今も副長官の地位に留まっている。ただしポッドキャスト時代のファンからは激しく批判されている。

 共和党の政治家や官僚も事態に右往左往している。

 下院議長のマイク・ジョンソンはFBIメモ公開の直後にはボンディ司法長官への信頼を表明しながら、その翌日には「司法省がすべての情報を公開するよう」求めた。だが民主党がファイル公開のための投票を起こせないよう、7月22日、議会の夏季休暇を1週間繰り上げてしまった。これにより議会は9月まで休会となっている。

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ファイル公開を避けるため? 再び「ロシアゲート」疑惑

 7月23日、国家情報長官タルシ・ギャバードがホワイトハウスの定例記者会見にて、「ロシアゲート」をレクチャーした。「2016年大統領選でのトランプ勝利の正当性に疑問を投げかけるために、オバマ政権が米国の情報機関を政治利用しようとした」として2016年から2023年にかけて注目されていた疑惑だ。

 これを受けて、トランプもオバマ元大統領の言動を「反逆罪」とみなす発言を行った。米国では反逆罪は死刑に値する。今さら「オバマを逮捕せよ!」と煽るのは、エプスタイン・ファイル問題を沈静化するためだと見る向きも多い。

 オバマ元大統領の事務所は即時にこれを否定するコメントを発した。8月4日、ボンディ司法長官は「ロシアゲート」捜査を開始するよう命じた。オバマ元大統領が捜査の対象となるかは明言していない。

オバマ元大統領 ©getty

元恋人はトランプに恩赦を求め…

 7月24~25日、司法省は懲役20年の刑を受けてフロリダ州の刑務所に収監されている、エプスタインの元恋人で少女たちのリクルート役であったギレーヌ・マクスウェルと面談している。面談を行ったのは司法省副長官のトッド・ブランシェ。かつてトランプの刑事弁護士だった人物だ。

 マクスウェルはトランプによる恩赦を求めており、恩赦がなされるかは不明だが、副長官との面談のわずか2日後に、、テキサス州にある最少警備の刑務所に移送されている。性犯罪者がフェンスもない一般の宿舎のような最少警備の刑務所に入ることはほとんどない。また、マクスウェルは自身の有罪判決に対する控訴を申請しており、米国最高裁は9月末にマクスウェルの申し立てを審議する予定となっている。それに伴い、8月11日に予定されていたマクスウェルの証言録取は無期限に延期されている。