〈今回の合宿は今までと違う。〉

 威圧感を与えるような特大サイズかつ太字の文。大手進学塾「ena」の幹部社員が複数の校舎に宛てた7月11日付の社内メールだ。檄文はこう続く。

enaの社内メール

〈どう違うのかというと、注目のされ方が違います。世の中、他塾は、我々がこの合宿で失敗したら「そら、見たことか」と野次馬根性満々で我々の合宿の結果を伺(ママ)っています。〉

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〈しかし、本部は、特に学院長は炎上上等くらいに思っています。つまり、言いたいことは言わせておけ。最後はenaがしっかり成功させて世の中を、他塾を見返してやる。(略)つまり、絶対に失敗はできません〉

「今回の合宿」とは、8月2日からenaが富士山周辺で開催している22泊23日の夏合宿のことである。ニュース番組でも取り上げられ大きな話題になっているが、「週刊文春」の取材で、この超長期合宿の裏で講師らが大量退職していたことが分かった。

学究社本部(同社HPより)

 創業53年のenaは都内を中心に関東で230校舎を展開。都立中高一貫校の受験対策に強いとされ、塾の発表によれば、都立中高一貫校で14年連続合格実績ナンバーワン、都立中の定員1800名に対しena受講生の占有率は実に64.2%を誇る。