急速に拡大を続け、東大生の人気就職先ランキングでは上位を占める総合コンサルファーム。監査法人から生まれた外資系コンサル「BIG4(デロイト、EY、PwC、KPMG)」に、アクセンチュア、日系のベイカレントやアビームコンサルティングが大手に挙げられる。今回、「週刊文春」では、大手の現役・OB社員と、コンサル業界に詳しい転職エージェントを交えた座談会を配信する。

 

コンサル業界に詳しい転職エージェント(以下、エージェント):日本でもデジタルトランスフォーメーション(DX)への意識が高まる中、大手企業は総合コンサルファームにDX支援を頼りました。その結果、コンサルは規模を急速に拡大、トップに君臨してきたのがデロイトです。しかし、ここにきて業績が悪化し首位陥落の危機が囁かれています。訴訟沙汰にまでなったEYへの「集団引き抜き」を象徴とする人材流出などによって、一時的に利益率が落ちました。

 今年12月には本格的な再編が予定されていて、これまで別々だった「コンサルティング(経営コンサル)」「リスクアドバイザリー(リスク分析)」「ファイナンシャルアドバイザリー(M&A助言)」の3社を統合する計画です。 真の狙いは、コストカットでしょうね。ただ、今のところはリストラのような話は聞こえてきません。総じて、デロイトの勢いに陰りはあるものの、コンサルバブルはしばらく続くとみています。

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デロイト東京本社 ©︎時事通信

デロイトOB:デロイトにはついこの前まで在籍していましたが、業績が悪いという実感はあまりなく、社内の雰囲気も暗くなかった。僕自身はむしろ忙しかったです。所属していたのは、業務改善システムを導入する「ET&P(エンタープライズテクノロジー&パフォーマンス)」という部署で、ここは常に人手不足でした。

 “アベイラブル(仕事の案件がなく待機している状態)”が多かったのは「SAM(ストラテジー、AI&データ、M&A)」という、いわゆるクライアント企業の経営戦略を考える部署です。ウチはやっぱり大規模システム開発が強い一方、戦略はマッキンゼーやBCGと比べて微妙で、案件が取れないことが多いんですよ。

エージェント:BIG4の最新序列でいうと、これまではデロイトとPwCが“2強”でしたが、今はそこにEYが食い込んでいます。まさに時代は“2強”から“3強”へ突入しつつあります。また、新興のベイカレントが急激に台頭していて、社員数ではBIG4以上になっています。

 この座談会の続きは、現在配信中の「週刊文春 電子版」で読むことができる。採用のリアルや給与事情、人気アナウンサーの森香澄が受付にいたというベイカレントの社風、アクセンチュアが「転職の狩場」といわれる理由など、大手社員が裏話をたっぷり語っている。

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