『喫茶ガクブチ』第1話に登場したあの額が登場⁉
柊 「ルーニィ」さんで、丸い穴からいろいろな空の写真が見える額装を見てお話を聞いたとき、絶対にこれを小説に書きたいと思って、加奈子さんに頼みこみましたね。第一話「旅の空と今日の空」に登場しました。
杉守 小説になるの⁉ ってびっくりしました。これ、全部私が旅先で撮った空の写真なんです。裏側は初めてお見せしますが……パリ、広島県の鞆(とも)の浦、これはミラノ、あとフィレンツェ。空ってつながっているのに、こんなに色が違うんですよね。
柊 これがなかったら、この物語は誕生していませんでした。主人公の美咲兄妹がはじめたカフェはお茶の専門店ですが、これは前に「ルーニィ」さんの近くにあったお店をモデルにしたんですよ。光がきれいに入るお店で、行くといつもお茶を試飲させてくれました。
杉守 私は立体的なものでは、ミニカーを額装したことがありますが、第4話「婚活UFO」に出てくるブリキのUFO、自分だったらとどう額装するかなと考えながら読みました。背景はミッドナイトブルーという色のビロードのマットにしようかな、とか。
柊 私はまだ立体物をお願いしたことはないので、今度何かいいものがあれば持ってこよう(笑)。指輪とかアクセサリーも可愛いですよね。
杉守 額装という、誰もが知っているわけではない世界を書いてくださって、うれしかったです。ちゃんと伝わっている、と思いました。
ギャラリーに来る方って、みなさんいろいろな思いを持っていらっしゃる。額装で、みんなが幸せな気持ちになるといいなあと、いつも思っています。
柊 なくても生きていけるけれど、あると嬉しい。これまで額装に縁のなかった人にも知ってほしい。この小説にその思いを込めました。今日はありがとうございました。
杉守 実はお集りいただいた皆さんに、おめざを用意しました。近所の和菓子屋「亀屋大和」さんの夏期限定クリームチーズ入りどら焼きです。キャラメリゼはされていませんが(笑)。
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額装の相談でご来店の方は、予約をおすすめします。 写真・文藝春秋写真部


