「通勤」が無くなる!?
言うまでもなく、Windows95の登場は人々の働き方に多大な影響をもたらした。社員一人一人の机の上にパソコンが設置され、ネットで世界中と繋がりながら仕事を行うスタイルはまさに革命的といってよい「働き方改革」であった。そしてこれからの社会では通信モバイルの発達やAI技術の進化によって、会社における多くの業務形態が再び大きく変わるであろうことが容易に予測できる。
会社でのデスクワークはそのほとんどがこうした新しい技術進歩によって代替えされ、人々の働き方に大きな影響を与えることになる。この革命は会社の構造そのものを変えるほどのインパクトを与えることになるのだ。
顔を合わせず仕事をする会社の出現
多くの会社が経理や財務、総務、人事といったスタッフ機能を持たなくなり、一部の職種を除いてオフィスに社員が集まるという形態が急速になくなっていく。私の知り合いが経営するあるソフトウェア会社は社員が30名ほどの会社だが、基本的に社員の働くスペースがない会社だ。仕事のほとんどが通信で結ばれ、それぞれが自分の能力の範囲で仕事をするので、社員が一緒の事務所に集って机を並べるということがないのだそうだ。その結果社員の住所は全国に広範に散らばっていて、中には一度も直接顔を合わせたことのない社員まで出現しているという。
今では社員一人に机一つを与えないフリーアドレス制を導入する会社が増えているが、この会社はそこを通り越して、社員間をつなげるのはネット上のみにして各社員が好きなとき好きなスタイルで仕事をするビジネス形態へと進化しているのだ。
会社に行く必要がなくなる
この話はなにも特殊な事例ではなく、今や大企業でも1週間のうちに会社に「出社」することがほんの1、2回といった会社は珍しくなくなっている。海外とのビジネスミーティングでさえ、今やスカイプを駆使して行うことは日常茶飯事となっているのだ。会社の会議だけのために、みんなが事務所に集まって顔を突き合わせる必要性は急速に薄らいでいる。
どうやら平成の年号の次の時代、そう遠くない将来に世の中から「通勤」という言葉はなくなるかもしれない。会社に行くという用事がなくなるのだ。多くの会社員というホワイトカラーの人たちが自らのスタイルで働き、会社という組織とはネット上でつながるだけで、自分の好きな場所に居を構え、仕事は近所のコワーク施設に出向くだけで、そのほとんどをモバイル上で行うのが当たり前の世の中になるのだ。