広陵の否定声明を受け、Aさんは当時入院していた「県立広島病院」が持つ当時の記録を確認すべく、診断書の再発行を依頼していた。8月21日付で再発行された医師の診断書には、次のような文言が記されている。

〈2015年9月19日複数箇所を叩打された後に意識消失、右半身麻痺・感覚障害を呈し入院。検査上は異常所見はないが症状は残存しており、精神的な要因により生じた解離性運動障害・感覚障害と診断した。2015年9月19日から2015年10月6日までの入院加療を行った〉

 

 「隠蔽体質とも言える部内での調査には限界が」

この内容を踏まえて、Aさんが憤る。

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「診断書に『複数箇所を叩打された』と書いてある通り、広陵が主張する『部室のドアで頭を打った』という言い分は、全くのデタラメです。しかし、野球部内ではあたかもそれが“事実”であるかのように処理されているのでしょう。現在も複数の元部員が暴力被害を告発していますが、隠蔽体質とも言える部内での調査には限界があるのでは」

 広陵高校は8月27日、元部員のBくんが被害を告発して“広陵大炎上”の発火点となった今年1月の暴力事案(第4弾)について、第三者委員会を設置して再調査することを決めた。同校では別の元部員Cくんからも昨年の被害の申告があり、6月にも第三者委が設置されている。そのため、今後は計2件について、警察や第三者による調査が実施される運びだ。

 今回新たに判明した診断書の内容を踏まえると、少なくとも10年前にAさんが経験した事案について、同校内での調査・報告に疑義があることは明らか。第三者の視点によって、野球部の“悪しき伝統”が一掃されることを願いたい。

文春リークス

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