だが、長年、在留外国人の支援に取り組んできた毛受氏は、

〈ある東京在住のビジネスマンは、「日本に長く暮らしてきたけれども、これからちょっと肩身の狭い思いをするのではないか」と心配していた。ある地方在住の外国人は、(参院選の時から)「自分たちを見る周りの日本人の目が少し変わってきた気がする。少しとげとげしい雰囲気を感じるようになった」と。「日本人ファースト」がこれだけ注目を集めることに在日外国人も敏感になっている〉

 と懸念する。

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毛受敏浩氏 ©︎文藝春秋

自民党政権の「外国人政策」の無策ぶり

 立場を異にしながらも、3人が一致して問題視したのは、これまでの自民党政権の「外国人政策」の無策ぶりだ。とりわけ、社会統合に必要な外国人向け日本語教育に国が本気で取り組んでこなかったこと。日本語ができないこと、日本語ができない外国人が増えることは、外国人本人にとっても、日本社会にとっても不幸でしかない。

 安藤裕氏、堀茂樹氏、毛受敏浩氏による「激論! 日本人ファーストを問う」10ページは、9月10日発売の「文藝春秋」10月号(月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」では9月9日公開)に掲載されている。

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