「推しについて話すのは男子の目もあって恥ずかしかった」
中高生時代の異性との交際を避けるために進学先を決めるのは、女子の親でも当然いる。自宅の近くにある共学の中高一貫校ではなく、あえて遠方の女子校を選んだ親はこう話してくれた。
「カップルでいちゃついている姿をよく見かけて、ああなったらどうしようかと小学校の頃から心配していました。だからもともと娘の進学先は別学希望で、見学も女子校ばかりを見ていました」
子ども自身が男子校・女子校を選ぶ理由として意外と多いのが「趣味をバカにされなそう」というものだ。
女子ではアニメやアイドル、男子だと鉄道好きの子などから周囲の目が気になって別学校を選んだという声を何度も聞いた。
「小学校では、推しのマンガについて話すのは男子の目もあって恥ずかしかったみたいです。ある中学の個別説明会で『マンガが好きな生徒も多い』という話を聞いた時は喜んでいました。無事入学後も、同じマンガにハマっている子と仲よくなったり、グッズを堂々と持ち歩けるのも満足しています」(女子校を選んだ女子の母親)
志望校を選ぶ理由は多様化しているが、それでも別学校が選ばれる最大の理由が「進学実績」であることは今も変わらない。
都内在住のBくんの親はとにかく「東大に一番近い学校」というのが進学先の基準で、Bくんが見学に連れていかれたのは開成、浅野、麻布のみだったという。
たしかに2025年の東大合格者ランキングでも上位5校のうちの4校を男子校が占めている。(受験情報サイト「インターエデュ・ドットコム」より)
Bくんは受験期の思い出をこう語る。
「秋から何度か学校見学に行ったのですが、同じ学校に何度も足を運んだ記憶しかありません。結局、併願も含めて受験する学校は全て親が決めました」(Bくん)
受験した学校を思い出してもらったところ、見事に全て男子校だった。しかしBくん本人は、改めて思い出すまで、自分が男子校ばかりを受けさせられていたことすら気づいていなかったという。

