サルサを踊りに行ったら朝まで「毎日忙しくて…」
――ホテルではなく、Airbnbに泊まられるとか。
南 そうです(笑)。長期滞在中は、毎食外食するわけにはいかないので、自炊したいからキッチンのある宿がいいんです。
――現地で新しいお友達を見つけるんですか?
南 そうですね。たとえば先日行ったニューヨークでは、日本人の友達に紹介してもらったネイティブスピーカーの青年に誘われてバーベキューに行き、そこで親しくなった彫刻家の女性と彼女のアトリエや美術館へ行ったりと、“友達わらしべ長者”のようです。
英語のレッスンや図書館で開講しているフリークラスにも行きますし、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のミュージカルがあまりに素晴らしかったので、その後サルサを踊りに行ったら朝まで(笑)。
――サルサ!
南 もう、毎日忙しくて、インスタに全部上げている暇もないほど。新しい友達が別れを惜しんでくれて、帰国する前日はいろんな人といろんなところで会いました。
ただ……基本的になんでも一人でできるんですけど、外食だけは一人でできないんです。一人でご飯を食べていても、楽しくなくて。海外に行くときは、3日目くらいまで食事をする人を決めて約束しておきますね。ただその先は、一緒に食べる人が増えていくので大丈夫(笑)。
「常にマグマがある感覚はずっと消えない」
――こうしてお話を聞いていたり、著書を読んでいたりすると、南さんからは生きることや働くことへのとてつもないエネルギーを感じます。そうした気力や好奇心というのが、年齢を重ねて衰えていくことはないのでしょうか?
南 体の奥底に常にマグマがある。そんな感覚は昔からずっと消えないですね。
――その話、デビュー10年目のころから仰っていますね。「私は自分の中に火山が一つあるんで(笑)。自分の身体なり精神がもう絶え間なくできるようになっているんです」(『キネマ旬報』1993年9月下旬号)と。
南 一緒にいる人に「元気になる」ってよく言われます。どうしてそんなに元気なの? とも聞かれるんですけど、元気の秘訣なんてないんですよ。自分の中から、自然とパワーが湧き上がってくる。ただ無理して元気を装うことはしません。元気のない時はそのまま大人しくしていますよ。
――実は、以前試写室で、南さんの隣の席で映画を観たことがあるんです。『はやぶさ 遥かなる帰還』(2012)だったんですけど、終映後周りがすっと帰っていく中、高らかに拍手をされていて。
南 あっはっは! 私、拍手していましたか(笑)! 元夫の作品ですね。多分、キャストやスタッフ皆さんへの「お疲れさまでした!」という敬意からした行動だったと思います(笑)。

