「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪市此花区にある人工島、夢洲で、4月13日より開催されてきた大阪・関西万博も10月13日の閉幕まで1か月を切り、ラストスパートの段階になってきた。
多くの批判があった大阪・関西万博
大阪では1970年以来55年ぶりに開催された万国博覧会。今回は158か国、7つの国際機関、4つの日本国・地域パビリオン、そして13の企業のパビリオンが集う本格的な博覧会となった。2021年に開催された東京五輪が57年ぶりの開催。あたかも「夢よ、もう一度」的な五輪、万博の開催は日本が活力にあふれていた時代を反芻するような発想で、開催に要する費用の問題を含め、開催については多くの批判が繰り返しなされてきた。
とりわけ、大阪を本拠にする日本維新の会が中心となって開催を進めてきたことが政府自民党との政治的な争いを招いたともされ、実際開催期間中でも、大阪や関西の盛り上がりとは裏腹に東京をはじめ関西以外の地方では人々の間であまり話題にも上らないともいわれた。
来場者数もなかなかの健闘ぶり
私自身はこれまで3回、現地を訪れてみたが、大阪市内の飲食店に入ると、お客さんや従業員の間の会話でも万博の話題が尽きず、東京人の私からみるとその盛り上がりぶりに驚くばかりであった。
開催前に懸念されていた入場券の販売枚数については8月8日時点で、運営収支上の損益分岐点とされた1800万枚を突破。9月5日現在で販売累計枚数は2071万枚、9月6日現在で累計来場者数は2030万人に達している。当初、チケット販売数については目標達成がほぼ不可能などとメディアで懸念されていたが、来場者数目標(2820万人)はともかく、なかなかの健闘ぶりだといえよう。
東京ではほとんど話題になっていない催しで、これだけの集客力を発揮したのはなぜだろう。実際に会場に足を運んでみて実感するのが、パビリオン入館を待つ長蛇の列で関西弁が飛び交っていることだ。特に目立ったのが3人程度の中高年の女性グループの姿や定年を迎えた老年夫婦の姿だ。現地で聞いてみると、みんな通期パスを購入し、何度も訪れているという。
