OZAWA つまらなさすぎた。だって試合で新しい技や動きを試すと「それはやるな」っていう制限がかかることがある。まあ、“若手の技縛り”みたいなのは俺も理解できる部分もある。少ない技数で、いかに闘うかということを考えるのはプロレスをやるうえで重要だし、若いうちからいろいろなものに手を出すと、基礎が整っていないままキャリアを重ねることになるから、ある程度の縛りは必要だ。でも、あまりにも過剰に縛られると本当になんにもできなくなるからな。
プロレス業界の「悪い伝統」
――若手レスラーは誰しもがそこで悩むものなんですか?
OZAWA それこそ、団体のトップに立ってる人間がやべえヤツだった場合は、好き嫌いで指示が飛ぶんでね、まったく筋が通ってない。自分が気に入ってる若手はなにをやってもオッケーで「お前はダメ」と言われる。そういう不平等感もひどかったな。
まあ、そういうことはわりとどこの業界でもあると思うんだけど、プロレス村という究極の縦社会の中でそれをやると、どんどん状況がひどくなってしまう。それがノアという団体だった。
――理不尽だと感じた具体的なことは?
OZAWA この業界は昔から変わらないことをやり続けるんだ。例えばスクワット。このプロレス村の縦社会の中で、上の人間が「スクワットをやれ」と言い続けてる。それがプロレス界の伝統だということで思考停止している。
俺は断言するが、スクワットは本当に無駄だ。俺も何年か前まで毎日スクワットを500回とか1000回やらされてきた。やらされてきたからこそわかるし、言える。スクワットはまったく意味がない!
本当に必要ならば、なぜある程度キャリアを重ねたレスラーたちは毎日スクワットをやらない? そんなことをやってるベテランレスラーを見たことがないぞ。そのことがスクワットは必要ないっていうことの証明になっているだろう。
――その無駄な伝統は、なぜ続いているのでしょうか?
OZAWA レスラーたちも、みんなうすうす気づいてはいるんだ。スクワットは無駄な行為であり、縦社会の負の遺産だということを。なのになぜ続いているのか? 3パターン考えられる。
――3パターンですか。
OZAWA 1つは「無駄な行為をさせることによって、絶対的な服従をさせる」。
――なるほど。理不尽が許されることによって立場が上であるということを顕示すると。
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