週刊誌の現場をリアルに描いた大崎梢の小説『スクープのたまご』がドラマ化される。主人公の新人記者・信田日向子役を演じるのは、今作で初主演を果たした注目の若手俳優・奥山葵さんだ。役作りのために『週刊文春』編集部を訪れるなど、真摯に作品と向き合う彼女に、仕事にかける思いや週刊誌の世界について話を聞いた。

©︎平松市聖/文藝春秋

原作の世界を壊さないように

――大崎梢さんの原作『スクープのたまご』を読まれたご感想は?

奥山葵(以下、奥山) とても面白くて、数時間で一気に読んでしまいました。もっとゆっくり時間をかけて楽しめばよかったと後悔したほどです。話が展開するにつれてテンポが速くなり、複雑でシリアスになっていくのも魅力的でした。「あの事件がこの事件につながっていくんだ」という発見も面白かった。原作の深みを大切にしながら、ドラマでも表現できるよう心掛けています。

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 私が演じる日向子はとても魅力的なキャラクターなので、彼女の誠実さや熱意が伝わるように演じたいと思っています。初めての主演作なので、プレッシャーもありますが、精一杯頑張りたいです。

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――日向子はPR誌から週刊誌の事件班に異動し、葛藤しながら成長する新人記者です。彼女の魅力や、演じる上で特に大切にしたいポイントは何でしょうか。

奥山 日向子は好奇心旺盛で、気になることや疑問に思ったことを自分の意思で追いかけるエネルギーを持つ素敵な女性です。物事を斜めに見ず、ありのままをきちんと受け止めた上で、自分で探求していく力がある。日向子が一生懸命事件に突き進むように、私もシーンに対して全力で挑まなければいけないと思っています。