小型モデルが好まれる「2つの理由」とは

 ひとつは「軽さ」です。スマホを長時間持っていると、どうしても手が疲れてしまいます。特に現行のスマホは、画面サイズの大型化に伴って、200グラム前後ある製品も珍しくなくなっており、さらにケースをつければ250グラムや300グラムになってしまいます。

 一方でiPhone 13 mini(140グラム)や、今春まで販売されていた第3世代のiPhone SE(144グラム)は、長時間手に持って保持する場合も、またポケットに入れて持ち歩く場合も、負担になりにくい特徴があります。

 もうひとつは「小さいことによる使いやすさ」です。ボディが小さければ、片手で握るように持つことができます。大画面スマホは幅も広く、画面の端まで指が届かないこともしばしばですが、小型スマホならば片手だけでほぼ画面全域をタップ可能です。わざわざ持ち替えることなく、あらゆる操作を片手でこなしたいユーザにとっては、このサイズ感こそが重要なポイントというわけです。

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iPhone 13 miniは手にすっぽり収まるサイズで、長時間持つ負担も少なく、また片手だけで難なく操作できる特徴があります

「画面サイズ当たりの重量」では歴代2位

 さて、このような観点でiPhone Airが小型スマホを求めるユーザにとってフィットするかをチェックしていきましょう。

左が「iPhone Air」、右が「iPhone 13 mini」。画面サイズはまったく異なりますが、「軽さ」「小ささ」についてはどうでしょうか

 まず重量について、iPhone Airは165グラムで、実のところ際立って軽量というわけではありません。小型モデルのiPhone 13 miniは140グラムと本製品よりはるかに軽量ですし、今春発売されたエントリーモデル「iPhone 16e」も、本製品と2グラムしか変わらない167グラムとあって、それほど強力なアドバンテージとは言えません。

 しかしこれが「画面サイズ当たりの重量」となると話は変わってきます。6.5型のiPhone Airは、歴代iPhoneの重量(グラム)を画面サイズ(インチ)で割った指標では、iPhone 13 miniをわずかに上回り、歴代で2番目に“軽量”です(歴代1位はiPhone 12 mini)。

 つまり絶対的な重量ではなく、「画面サイズの割に軽い」という、相対的な重量で言うならば、本製品は軽量に属すると言えるでしょう。実際、手に持った時も、見た目のサイズから想像される重量よりもはるかに軽く感じます。いちど手にしたあとでは、現行のほかのiPhoneがとてつもなく重く感じられるようになるほどです。

 実はスマホのようなデバイスでは、この「画面サイズ当たりの重量」のほうがモノを言うケースも多く見られます。Phoneの大画面モデルであるPro Maxを持った時には重いと感じるのに、それより約50グラム重いiPad miniを持った時にそれほど重く感じない人も多いのではないでしょうか。これは、画面サイズを見て「だいたいこのくらいの重量だろう」と無意識に判断し、持ったときにその重量よりも重いか軽いかを感じ取っているからです。