「これまでどのモデルを使ってきたか」がポイント?

 ここまで見てきましたが、iPhone Airがかつての小型モデルの後継になり得るかどうかは「いま使っている小型モデルがどの機種か」に大きく依存するという結論になりそうです。

 例えばiPhone SE(第3世代)やiPhone 8の場合は、カメラは同じシングルレンズで、iPhone Airに乗り換えると多少重くなるものの、これまでよりも圧倒的に大きい画面サイズの恩恵を享受できます。持ちやすさを追求して横幅にシビアなユーザにとっては少々厳しいでしょうが、それ以外のニーズにはバッチリとハマりそうです。ホームボタン搭載モデルはそろそろ卒業したい、という人にも最適でしょう。

乗り換え前がiPhone SE(第3世代)やiPhone 8(右)であれば、カメラは同じシングルレンズなので、撮影が不便になることは基本なさそうです

 一方で、iPhone 13 miniや、iPhone 12 miniからの乗り換えは、いまいち厳しいと言わざるを得ません。なんといっても超広角レンズが省かれているほか、ボディの幅がかなり大きくなることから、持ち比べた時の違和感は相当なものです。ホームボタンが省かれているなど操作性は共通であるほか、画面サイズ当たりの重量もほぼ同じで、移行に伴う違和感は少ないのですが、言い換えると新鮮な驚きがありません。

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 画面サイズが大きくなったことで見やすく感じる利点はあるでしょうが、小型モデルにこだわって使っていた人が求めていたのは、おそらくそこではないはず。超広角レンズがないというマイナスポイントのほうが、響きやすい気がします。長年のiPhone 13 miniユーザである筆者から見ても、併用はまだしも乗り換えるのはちょっと……というのが率直な感想です。

乗り換え前がiPhone 13 mini(右)の場合は、やはり超広角レンズの不在がネックになります。横幅にかなりの差があるのも、違和感を感じやすいポイントになるでしょう

 逆に言うと、もし今後のモデルチェンジで超広角レンズが追加されれば、これらiPhone 13 miniなど小型モデルをいまだ愛用するユーザをも取り込める可能性は大きいはず。iPhoneのモデルを示す番号が型番に含まれなかったことで、後継モデルが将来あるのか、仮にあっても1年おきにモデルチェンジされるのか、先行きが不透明なこのiPhone Airですが、一定の評価を得たことで将来的に後継機が発売されることがあれば、そうした点はチェックする必要がありそうです。

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