ポイントは「持ちやすさ」を重視するかどうか
重量に次いで、サイズについてはどうでしょうか。ここで注意したいのは、小型スマホを求めるユーザの中には、とにかく軽さを重視するがゆえに小型モデルを求めているだけで、画面サイズにはそれほどこだわりがない人と、持ちやすさを優先するため、画面幅がスリムなものを求める人の2タイプに分かれるということです。
前者の場合、軽量でさえあれば、むしろ画面サイズは大きいほうが見やすくてよいわけで、画面サイズの割に軽い本製品は、またとない選択肢と言っても過言ではありません。
一方で、後者の持ちやすさを優先する人にとっては、本製品の横幅は標準サイズのiPhoneよりも大きいことから、ニーズからは外れています。片手で握りやすく、また持ち替えることなく画面の端まで指が届くから、という理由で小型スマホを待望している人にとっては、どれだけ軽かろうが薄かろうが、意味がないというわけです。
薄型化・軽量化のために削られた機能もあるが……
iPhone Airは、軽さや薄さ、さらにサイズ感とは別に、一般的なiPhoneの多くが備えている機能の一部が削られていることに注意が必要です。
まずひとつはカメラです。本製品のカメラはシングル仕様で、言うなればかつてのiPhone SE(第3世代)や、現行モデルではiPhone 16eと同等です。
Appleは、デジタルによる望遠に強みがあり、専用の望遠レンズがなくても支障がないことをアピールしていますが、手元側が広く写る超広角レンズも省かれているのは、かなり致命的です。
もともと超広角レンズのない製品からの乗り換えならまだしも、超広角レンズを搭載しているiPhone 13 miniなどからの乗り換えでは、実質的にダウングレードとなってしまいます。
もうひとつはバッテリー容量で、同時発売のiPhone 17がビデオ再生で最大30時間も駆動するのに対してiPhone Airでは最大27時間と約1割減。発表直後には多くのメディアやユーザから、ツッコミが入っていました。ボディを軽く薄くするために、スマホの生命線であるバッテリーを削るとは何事か、というわけです。
とはいえ、あくまでiPhone 17シリーズと比べたら短いだけで、今回の比較対象であるiPhone 13 miniは最大17時間、iPhone SE(第3世代)では最大15時間なので、従来の小型モデルから乗り換える場合はそこまで気にならないでしょう。長年使ってバッテリーが劣化しているのなら、なおさらです。
この他にもスピーカーがモノラルなど、ちょくちょく削られている機能はあるのですが、総じて「カメラだけは要注意」というのが筆者の結論です。バッテリーはモバイルバッテリーを追加してしのぐことができますが、カメラのレンズはこうした方法で追加できないからです。もう一つ挙げるならば、物理SIM非対応でeSIMのみであることも、注意すべきポイントといったところでしょうか。







