「東大卒のゴミ屋敷住人」としてメディア出演経験もある、みずきさん(29)。

 現在、専有面積が約8平米、家賃月3万8000円のワンルームアパートで一人暮らしをしている。玄関を開けると、食べ終わったカップラーメンの容器が外に転がり落ち、部屋の中は衣服などであふれ、コバエが飛ぶ。この家に住み始めたのは今から6年ほど前、幼少期から関係性が悪かった母親に実家を追い出されたことがきっかけだった。

 両親ともに東京大学を卒業というエリート一家の長男として生まれ、東京大学の在学中に女性服やメイクに目覚めて以降、可愛らしい服装で配信活動などを続けるみずきさんには「似合ってる」「ゴミ屋敷に住む可愛い女の子」といった声が寄せられている。本人にゴミ屋敷での暮らしについて聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

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東京大学を卒業、大学院を中退して2つの会社に勤務したのちに現在は配信者としての活動をメインにしているみずきさん ©石川啓次/文藝春秋

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「公務員にならないなら出て行け」と母親に言われ…

——現在のお住まいについて教えてください。

みずきさん(以下、みずき) シャワーとトイレも含めて、専有面積が約8平米のワンルームに住んでいます。家賃は月3万8000円です。 2020年1月から住んでいて、来年1月で6年になります。

——この物件に住む前は実家にいらしたそうですが、24歳のタイミングでなぜ一人暮らしを?

みずき 母との関係が限界に達したのがきっかけです。私の両親は離婚していて、当時、母はすでに再婚していたのかな。再婚相手と暮らしていて、母の所有している家に、私が1人で住んでいました。

 そのころ、母から公務員になるよう言われていたのですが、私はもともと研究者になりたくて東京大学に進学したので、なりたくなくて。それで何もせず公務員の出願期限が過ぎた後で、母から「公務員にならないなら、面倒を見きれない。家から出ていけ」と言われました。親の機嫌をうかがって居場所を確保するのも疲れていたころだったし、誰かの機嫌に左右されない安全な場所が欲しいと思って、思い切って一人暮らしをしようと。