「ゴルフだけは自分がやらなきゃと思ってたんですけど、手放してみたら本当に楽になりました」

――とはいえ、賞金女王にまでなったさくらさんほどの選手が“自我”を手放すのは勇気がいりますよね。

さくら 試合で成績が出せない状況が続いていたので、何かを変える必要があったんです。それに、もともと私は自分で計画を立てたりするのが得意なタイプじゃないんですよ。家のことも基本的には夫が決めてくれて「うん、わかった」という感じだし。それでもゴルフだけは自分がやらなきゃと思ってたんですけど、手放してみたら本当に楽になりました。決められたことをやる方が性に合っているんだと思います。

 

陽太郎 「優勝したらどんなことをしたい? なんでもいいから言ってみて、どんなにお金がかかることでもいいよ」と聞いた時も、答えは「カラオケ」でした(笑)。我慢してるんじゃなくて、本当にそういう性格なんだと結婚から10年経ってやっとわかってきましたね。

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さくら それでも誰の言う事でも聞けるわけじゃないので、全部まかせてみようと思える相手が横にいたのはラッキーなことだと思います。もう夫がキャディをしてくれるようになって7~8年になるんですよ。

――そういえば元サッカー選手の陽太郎さんが、さくらさんのキャディをするようになったのはどういうきっかけだったんですか?

さくら 日本ではそういうことはないのですが、アメリカツアーにいる時はついてもらっていたキャディさんが自分とは別の成績のいい選手にアプローチしたり、急に今週で終わりにしたいと言われたり、その度に環境をまたイチから作り直すのがストレスで、それなら2人でやろうと。

 

――ゴルフのキャディはかなり知識もいると思うのですが、大変ではなかったですか?

さくら 最初はグリーンのラインを読むのも逆だったりして、正直バッグを担いでくれれば十分ぐらいのつもりでした。でも私のスイングもずっと録画して一緒に研究してくれて、今では私より私に詳しいぐらい。グリーンのラインや風を読む精度も上がって、プロキャディに混ざっても遜色ないと思います。だから「他のキャディさんにお願いしたい」という気持ちは全然ないですね。

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