NHK朝ドラ「あんぱん」では軍人役。主演映画が封切られ、間もなく主演ドラマもスタートと絶好調。
この秋いっそう渋味を増しそうな妻夫木聡(44)には、知られざる一面もある。
◆◆◆
3週間朝食のみの過酷な減量
「大変ストイックな方という印象でした」
そう話すのは「あんぱん」の時代考証に関わった大森洋平氏だ。
妻夫木が演じたのは上等兵・八木信之介役。モデルはサンリオの創業者・辻信太郎とされ、終盤まで物語に深く関わるキーパーソンだった。
朝ドラは意外にも初出演だったという妻夫木。振り返れば1998年にドラマ「すばらしい日々」でデビュー、2001年の映画「ウォーターボーイズ」でブレイクした。
「製作費約25億円の主演映画『宝島』が9月に公開されました。また10月放送開始の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』での主演も発表されるなど、引っ張りだこです」(芸能記者)
日本アカデミー賞主演男優賞を複数回受賞、こだわりの強い演技で知られる妻夫木。「あんぱん」では食糧難の戦場を表現しようと3週間の食事制限に臨み、朝食だけ食べて昼夜は絶食して体を絞ったという。
リハーサル室では資料を読み込み
前出の大森氏は特に、戦時中の描写の考証に力を入れた。現場での妻夫木を振り返る。
「リハーサル室に日中戦争時の写真集や資料を置いておいたのですが、非常に熱心に読んでいる人がいて『ああ、ありがたいなあ』と思っていたら、妻夫木さんでした。軍服の着こなしがうまく、ゲートル(脚絆)を自分でさっさと巻いてスタジオ入りしていました」
白眉は戦場シーンでの身のこなしだったという。
「森の中で銃声を聞いた八木上等兵が姿勢を低くしてダッシュし、嵩(北村匠海)の頭を下げさせ、横に伏せて射撃姿勢を取る。この一連の動きをワンカットで演じた時、動きのシャープさに舌を巻きました。
ベトナム戦争を題材にした米映画『プラトーン』で同じような動きをウィレム・デフォーがやっていたのを思い出し、撮影後に妻夫木さんに伝えたら、すごく嬉しそうで。大変勉強されたのだろうと感服しました」(同前)



