問題は議員票への影響だが、「党員の扱いがどうだった、こうだったという話については、議員票に影響する程度は限定的」と分析している。
調査結果から推計される党員票は、高市氏110票前後、小泉氏88票前後、林氏72票前後となる見込みだ。党員票でリードする高市氏だが、議員票では小泉氏が「圧倒的に優勢」とされており、最終的な決戦投票の行方は議員の動向次第となる。
「選挙後の統治」への懸念が…
一方、高市氏を支持する議員が小泉氏を公然と批判するなど、従来の総裁選では見られなかった対立の先鋭化が顕著になっている。選挙戦術レベルを超えた価値観の相克が、選挙後の党運営に重大な影響を及ぼすとの懸念が広がっている。
米重氏は「かなり高市さん寄りだと言われている自民党議員がXで、それこそ説明を強く求めるような投稿をされたりとか、やっぱりそういった調子でやっていると議員同士でも立場が開いてしまう」と分析している。
今回の総裁選で露呈した党内対立は、新政権の統治能力に深刻な影響を与える可能性が高い。米重氏は「果たしてこの総裁戦こんな感じでやって自民党にとって良かったんだろうかっていう感じがします」と懸念を表明している。
決選投票では小泉氏と高市氏の組み合わせが最も可能性が高いとされるが、どちらが勝利しても党内の修復には相当な時間を要するとみられる。政策の方向性だけでなく、政治手法や価値観をめぐる根深い対立が顕在化した今回の総裁選は、自民党の結束力に長期的な影響を残すことになりそうだ。
