「以前は自分の顔も髪型も全部嫌いでしたけど…」大人になって容姿へのコンプレックスがなくなった理由

――SNSの発信に対して、どんな反響がありましたか。

エリ 「私も40代で、最近出産しました」「高齢だけど、こういう選択肢があることを知って希望が持てました」とか、たくさんのメッセージをいただきました。

 私の発信が誰かの助けになったり、不安を和らげたりできるんだと知って、すごく嬉しかったです。同じ境遇の方がいると知ることは、私自身の励みにもなっています。

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――発信を続ける中で、心無い言葉を向けられることはありましたか。

エリ いや、ポジティブな言葉をくれる人の方が圧倒的に多いですね。誹謗中傷もあるとは思うんですけど、あまり気にしていないというか。

 いじめなどを経験したことで、人は変えられないから自分の捉え方を変えるしかない、というマインドが身についてるんですよね。

――子どもの頃に「ハーフ」と言われ続けたことで容姿にコンプレックスを抱いていたそうですが、今はご自身の容姿をどのように捉えていますか。

エリ 以前は自分の顔も髪型も全部嫌いでしたけど、モデルの仕事を始めてからは「人と違うこと」が仕事になるんだと知って、自分の容姿をすごく好きになれました。

かつては癖毛に悩み、縮毛矯正をしていたという(写真=エリさんのInstagramより)

「母の金庫を整理していたら、体外受精の契約書のようなものが出てきたんです」

――モデル活動を始めるようになった経緯は?

エリ 大学1年生の時、渋谷を歩いていたらスカウトされたんです。最初は美容師さんのサロンモデルから始めたんですけど、その時に「その癖毛、絶対活かした方がいいよ」って言われて。

――コンプレックスだった癖毛を。

エリ それでずっと続けていた縮毛矯正をやめて、自分の癖毛を出すようになったんです。そしたら、「可愛い」って褒めてくれる人がすごく多くて。そこから、自分を隠さなくていいんだってすごく楽になって、自分らしさを取り戻しました。

――今後は、ご自身のルーツとどう向き合っていきたいですか?

エリ 正直、どこの国なのか、自分のルーツは知りたいので、いつかDNA鑑定もしてみたいと思っています。そして、母がどういう経緯で私を産んでくれたのか、もっと深く知りたいです。

 最近、母の金庫を整理していたら、体外受精の契約書のようなものが出てきたんです。そういうものを手掛かりに、少しずつでも知っていけたらなと。

――これからもSNSでの発信は続けていく?

エリ 私の活動を見て「自分も何かやってみよう」と思ってくれる人がいたら嬉しいので、これからも色々なことに挑戦する姿を発信していきたいです。

 体外受精についてももっと勉強して、同じような境遇の方や、これから親になろうとしている方の支えになるような情報を伝えていきたいと思っています。

 

撮影=山元茂樹/文藝春秋

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