匿名・流動型犯罪グループ、通称トクリュウが社会の新たな脅威だ。ニセ警察、フェイク画像と手口は千変万化、いまや狙われるのは高齢者だけではない。どう身を守るべきか。「週刊文春 電子版」で10月8日に配信された記事の一部を配信します。
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「トクリュウ対策の成否が我が国の治安に大きな影響を与えるといっても過言ではない。今が正念場だ」
10月1日。楠芳伸警察庁長官は、同庁の「トクリュウ情報分析室」の発足式でこう言葉に力を込めた。
匿名化した首謀者がSNSで集めた実行犯を流動的に離合集散させ、あらゆる犯罪を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」、通称トクリュウ。その存在は警察組織を再編成させるほどの脅威と化している。
「警察庁の情報分析室は司令塔。捜査の中心を担う警視庁には『トクリュウ対策本部』が新設され、全国の警察から出向した捜査員約100名による専従捜査班『T3(トクリュウターゲット取り締まりチーム)』が設けられた。T3は来年度、さらに100人増員されます」(警察庁担当記者)
警察の発表によると、トクリュウが深く関わる特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害総額は、2024年、過去最悪となる約2000億円にも達した。
「このうち特殊詐欺の被害額は、23年から260億円以上も増加した約720億円。しかも、今年の8月末の暫定値ではすでに830億円を突破し、過去最悪の数字を更新している」(同前)
被害額を著しく押し上げている最大の要因が、ニセ警察詐欺だ。その被害額は今年上半期の時点で約390億円。これは特殊詐欺被害全体の65.2%にあたる金額である。
かくも猛威を振るうニセ警察詐欺、まずは主な手口を知っておこう。
〈この続きでは、専門家たちが解説する主な手口と詐欺撃退の7ルールを4000字超にわたって詳報。現在配信中の「週刊文春 電子版」および10月9日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる〉



