「高級ソープで働く大学生」「入社1年で年収1000万」……最も売れた明細は?

 これまでに最も売れた給与明細は、「人材採用のコンサルタントしてる転職のプロ(転職入社1年目で年収1000万円)」で、ひと月に最大で100人以上が購入したこともあるという。今でもリツイートするたびに数十人単位が飛び付くというキラーコンテンツだ。

これまで最も売れたという給与明細。購入すると、明細だけでなく転職のノウハウなども閲覧できることから人気を博している(給与明細買取屋さん公式Xより)

「1位の給与明細は、2023年6月の投稿当初から首位をキープしています。給与明細単体ではなく、高年収のコンサルタントが有料で教えていた『面接突破』と『年収交渉のコツ』も閲覧できるとして人気を集めています。それ以外だと、『都内のメンズエステでちょいちょい無課金で初回から本番してる中堅SIerのPM』『高級ソープランドで楽しく働いてる天然Eカップ美大生』など、エロ要素がある給与明細が非常に強いですね」

 当初は趣味で始めたが、次第に規模が大きくなり、現在の給与明細買取屋さんの月収は数百万にのぼる。年々反響が増していることから、さらに年収が上がると予想しているそうだ。

ADVERTISEMENT

エロ系の要素がある明細も、よく売れているという(同前)

「倫理的に良くないとは思う」

 給与明細買取屋さんを営むAさん(30代後半・男性)は、サラリーマン出身の経営者だ。20代で起業し、本業で結果を出しているAさんが給与明細買取屋さんを始めたきっかけは、友人の衝撃的な給与明細を目にしたことだった。

「社労士事務所に勤めていた友人から、残業100時間で手取りが14万円ほどという話を聞いたのがひとつのきっかけです。あまりにブラックで驚いたのと同時に、『SNSに投稿したら、おもしろいかもしれない』と」

 友人の許可を得て、給与明細買取屋さんのTwitter(現:X)アカウントで投稿すると、「個人情報を晒すなんてひどい」などと大炎上。Aさん本人も「確かに、倫理的に良くないとは思う」と話すが、一方で反響も大きく、結果としてわずか2カ月で約1万人のフォロワーを獲得した。さらに「俺のほうがもっとひどい」などと、同じように劣悪な環境で働くひとたちから給与明細がDMで送られてくるようにもなった。

 炎上はその後も続いたが、フォロワーも徐々に増加。最初は原本をそのまま公開していたものの、明細のデザインで会社名がバレるリスクがあり、フォーマットを統一した現在のスタイルに変更。センシティブな部分は黒塗りにし、該当部や原本は別料金、かつ24時間限定で閲覧できるようにした。この仕組みを発明すると、事業規模が拡大していったという。

 これまで1000以上の給与明細を公開しているが、訴訟などの大きなトラブルは一度もないとのこと。原本閲覧時の注意事項を明記することで、情報流出も防げているそうだ。