高収入なイメージもある「医師」「商社」「金融」業界の“残酷な実態”

 ここまで挙げたほかの「おすすめできない業界・職種」として、給与明細買取屋さんは「ゼネコン」「教員」「医師」を挙げる。

「ゼネコンの中でも現場監督は、最もおすすめしません。建設業界ではパワハラが根強く残り、現場監督は職人からのハラスメントや猛暑での野外作業など、非常に厳しい環境で働いています。また、資材費の高騰などで利益を出しづらいため長時間労働になりがちで、残業が月100~200時間に達することも珍しくありません」

 昭和時代のハードすぎる働き方が残りまくっており、知り合いの20代現場監督が「この業界にはくるな」と話していただけでなく、給与明細を買い取る中でも同様の話をする人はかなり多いのだとか。

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ゼネコン業界は「昭和な働き方」が根強く残っているという(同前)

「教員は、世間のイメージどおり業務量が多く、特に部活動の顧問は土日や夏休みも出勤を余儀なくされます」

 昨今は教員の労働環境が話題になることも多く、給与明細買取屋さんの投稿を見ていると給与事情や残業は学校によってかなり左右されることが分かる。まだまだ教員の働き方改革は、途上のようだ。

ブラックな環境に嫌気が差し、転職する人も少なくない模様(同前)

 意外なのが「医師」だ。一般的には高収入なイメージもあるが、給与明細買取屋さんは次のように話す。

「医師は当直や泊まり込みで月300~400時間働くこともあり、労働時間当たりで考えると高収入とは言いがたいなと。それを加味すると、大企業の社員の方がコストパフォーマンスが良い印象があります」

医師は額面だけを見ると高収入だが、労働時間を加味すると平均か、それ以下のケースが多いという(同前、本人や職場特定を避けるために明細上の個別項目は省略している)

 同じく、一般的に高収入という印象がある「総合商社」「金融」も「そこまでおすすめではない」と話す。

「商社は、いわゆる5大商社こそ年収が高いですが、激務かつ海外転勤が多く、労働強度が高い印象があります。金融でいえば、高いのは投資銀行だけ。それでも1日20時間働いて20代で年収1400万~2000万円に達する程度ですし、激務なのは否めません」