「ブラック神社」で働く巫女さんの、残酷すぎる給料事情

 続いて、ブラック企業というワードをもはやあまり耳にしなくなりつつある令和になっても存在している、超ブラック企業の給与明細を紹介しよう。

「アニメオタクの誰もが知る大手制作会社(月400時間労働で年収216万円)」は、大手のアニメ制作会社(倒産済)に勤めていた新卒入社5年以内の男性から買い取った給与明細だ。

400時間働いても、月収は手取り15万円弱。アニメ業界の闇が明らかになった明細だ(同前)

 男性への聞き取りによると、1日20時間勤務で月の労働は約400時間、年収は216万円。日中はデスクワークをこなし、夜間から早朝4時頃まではアニメーターの自宅を訪れて原稿回収業務を担っていたという。激務の要因は納期遅れや夜型のクリエイターが多いためだ。この男性は「精神障害を患い退職を余儀なくされ、その後も障害の影響が残っている」と語った。悲惨すぎる業界の状況を明かし、話題を呼んだ投稿のひとつだ。

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 もともと低収入な印象もあるアニメ業界に対し、なかなか実態を知られていない業界の内情を明らかにしたのが「神が存在しないブラック神社の正社員巫女さま(大卒入社5年くらいで年収200万円)」。大卒で神社に入社して約5年、正社員の巫女として働く女性から、想像しがたいブラックな環境を聞き取った。

巫女さんの給料事情を明らかにしたケース(同前)

 女性の業務は、御朱印頒布や神事での司会、電話対応、片付け、買い出し、神社運営一家の個人的な要件処理など広範囲に及ぶ。勤務時間は1日12時間、サービス出社も含めて月80時間弱の残業に加え、付き合いの飲み会も多いというが、年収は約200万円。

 女性は給与明細買取屋さんに対して「神などいない。神がいるなら神に仕えている私たちが、こんなブラックな状況下で奉仕しているはずがない」と胸の内を吐露している。巫女として働く中で最も嫌なことは「セクハラ」で、盗撮されたり、「処女なんですよね?」などと聞かれたりすることだという。

「彼女のコメントからは、人生をあきらめているような感じが伝わりました。転職する元気がなく、定年を待っているそうです。巫女の定年は一般的に26歳ほどだそうですが、彼女が勤める神社は定年の記載がなかったと話していました」(給与明細買取屋さん)

「意外な稼ぎ方」で印象に残っている給与明細は?

 ここからは反対に、明るい高収入の明細で印象に残っているものを聞いた。「超ゆるふわ釣銭機メーカーでレジの修理してる高卒月10時間労働男(転職入社10年以内で年収450万円)」は、本業だけ見るとそこそこの稼ぎだが、副業で荒稼ぎしている珍しいケースだ。