「チー牛時代からのつきあいは、家族と彼女くらいで。彼女からは『すごく変わったよね』とは言われますね。彼女はすごいかわいいので、隣に並んで恥ずかしくないレベルにはなれたのかな」

 10年前は自分の見た目や性格に悩んでいた、十二月田(しわすだ)さん。そこから恋人や家族の助けを借りて、見事「垢抜け」に成功。さらにコスプレイヤーとしてもデビューし、ファンが付くようにもなった。しかしポジティブな変身の一方で、新たな悩みも……。インタビュー後編をお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

衝撃のビフォーアフター写真に1万人がいいね!した…コスプレイヤーの十二月田さんが変身して「良かったこと・驚いたこと」とは? ©松本輝一/文藝春秋

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「チー牛」を卒業したことで「生まれた敵」

──逆にいわゆる「チー牛」からコスプレイヤーに変貌を遂げたことで、嫌な思いをしたということはありますか。

十二月田 実は、結構ありまして……。僕、まだコスプレを始めて2年ちょいなんで、超初心者なんです。ただ、SNSではありがたいことに万バズも4回くらいさせていただいていて。

 コミケでコスプレをした時も、bilibili(中国の大手動画プラットフォーム)とか、ニコニコニュースにもお声掛けいただいたりしていて。たまたま注目してもらっただけなんですけど、出る杭は打たれるというか……(笑)。2年ちょいしかコスプレやっていないヤツが目立ってたら、面白くない人もいるじゃないですか。どうやら十二月田のアンチの会があるみたいで、僕と一緒にイベントに出た人に嫌がらせしてきたり……。

──人気が出ると、敵も生まれるんですね。

十二月田 以前、直接とあるレイヤーの方に「十二月田君は別にかっこよくないよ。まわりが持ち上げているだけだって気づきなよ」と言われたこともあって……。

──怖い……。どんな人から言われたんですか?

十二月田 男性の先輩レイヤーさんでした。それが悔しくて、悲しくて……。その後、新宿でボーっとしていたんです。そしたら、たまたま芸能事務所のスカウトのかたに名刺を渡されて……。「なぜ今日はここに来たんですか?」と聞かれたので、その日あったことを全部ぶちまけて聞いてもらいました(笑)。

──スカウトされたんですか? すごいですね。