公明新聞の印象的だった見出し

 連立離脱を表明した翌日(10月11日)の一面は『公明、連立政権に区切り』。次の見出しが印象的だった。

『「清潔政治」の党是貫く』

『公明党らしさ不断に追求』

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 翌日(12日)は斉藤代表のインタビューを載せていた。ここでも「清潔政治の党是貫く」と「公明らしさ発揮を追求」とある。よほどこの2点を強調したいのだろう。それにしても「公明らしさ」に既視感があると思ったら、そうだ、「石破らしさ」だ。

どこがクリーンな政治で、どこが平和の党なのか?

 石破茂首相は「『石破らしさ』というものを失ってしまった」(9月2日・党両院議員総会)と後悔していた。なるほど石破政権とはらしさを失ったもの同士の連立だったのか。いま反省会が始まっている。

 確かにここ最近だけでも公明党はどこがクリーンな政治で、どこが平和の党なのか?と思ってしまう対応が続いていた。たとえば自民党の西田昌司氏を参議院選で推薦したことだ。西田氏は太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲になった学徒隊の生徒や教員らを慰霊する「ひめゆりの塔」の説明書きについて「歴史の書き換え」などと主張して批判された。裏金議員でもあった。公明党はこういう人物を推薦していた。さらに昨秋の衆院選では自民の裏金議員の大半を推薦し、自民を非公認となった候補者にも推薦を出していた。

 さすがに耐えられなくなった党の中から批判が出たのだろう。代表インタビュー(12日)では昨年の衆院選、今年の都議選と参院選での厳しい結果を受け、その総括に当たり党幹部が全国を回ったとある。すると裏金議員を推薦したことに「公明党の清廉なイメージを損ねたのではないかとの指摘を受けました」という。清廉なイメージがまだあると思っているのはご愛敬だが、地方の声を聞いてさすがにマズいと感じた様子がひしひしと伝わってくる。

 さて、見出しのインパクトに目が行ってしまったのは次の記事だ。公明党が連立解消を発表する日の朝刊である。