「そもそも公明党は『「高市嫌い』が本音なのではないか」と…

『連立か離脱か 公明衝突 玉木氏密会や萩生田氏起用「平手打ち」』(朝日新聞・10月10日)

 ひ、平手打ち? どういうことかと思って読むと、次の2点が公明党の態度硬化を招いたという。

・高市氏は総裁に選出された直後、公明との連立維持を確認する前にもかかわらず野党の国民民主党の玉木雄一郎代表と密会。

 

・裏金問題の中心だった旧安倍派の元幹部、萩生田光一氏を幹事長代行に登用。

 これが「連立パートナーを平手打ちするような対応」(公明関係者)に感じたというのだ。そうか、もう萩生田氏は一種の暴力装置に思えるのか。裏金問題にも旧統一教会にも関係した“スキャンダルの二刀流“の破壊力にしみじみしてしまった。

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 ちなみに麻生氏の存在もやはり大きい模様だ。

《高市体制で影響力を持つ麻生太郎副総裁は「公明嫌い」で知られ、岸田文雄前政権下で国民民主を連立に加えようと模索した経緯がある。こうした動きも「公明外し」と映った。》(毎日新聞)

山口那津男元代表

「玉木密会」に「萩生田起用」、「麻生太郎の公明嫌い」。産経新聞は、そもそも公明党は「『高市嫌い』が本音なのではないか」と訝しむ。

 では公明党はすべての面で被害者なのだろうか? 前述したように何があっても自民についていき、権力の匂いに敏感という実績がある。忘れられないのは2017年の東京都議選のときだ。あのとき小池百合子都知事の地域政党「都民ファーストの会」の人気が圧倒的と見るや、公明両党は自民党との長年の協力関係を断って「都民ファースト」との選挙協力を進めた。結果、公明党は全員当選した。その変わり身の早さには驚いた。

 そう考えると今回も公明党は理念うんぬんだけでなく、単に高市自民党の可能性を見限ったからという部分もないか。政治の混乱期にはそうした各々の野心も頭に入れた上で見ておいたほうがよい。

 そんな野心を大義に変えて混乱期を抜け出すのはどの政党、政治家なのだろうか。結果は当然私たちの生活にも跳ね返ってくる。誰がどういう振る舞いをするのかきちんと見ておきたい。

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