「平成ギャルは私が流行らせた」

――3回目の面接で、専属モデルに合格したときは、どんな気持ちでしたか?

らん 特に何も言われずに撮影で呼び出されて、その場で不意打ちみたいに「専属になったよ、おめでとう」と言われて、驚きました。面接をしてくれた『egg』の編集長が「盛り髪とか、他の人にない強みがあって良いね」と言ってくれて、自分の好きなものや、貫いてきたものが認められて、本当にうれしかったです。

 合格したことを親に連絡したら、お父さんが仕事帰りに大きなケーキを買ってきてくれました。それで、家族みんなでお祝いしてくれたのも、うれしかったですね。

ADVERTISEMENT

――ずっとらんさんの夢を応援してきたからこそ、ご家族もとてもうれしかったでしょうね。

らん ただ、合格したとはいえ最初はなかなか世間に平成ギャルを受け入れてもらえなくて……。当時は、「きれいめギャル」が流行っていたんです。「盛り髪しすぎると、ファッションページに載せづらい」と、シンプルなヘアスタイルに直すように言われることも少なくありませんでした。

 それでも盛り髪を続けていたら、平成ブームが来て。今では「もっと盛り髪にしてほしい」とリクエストをもらうこともあるんですよ。

盛り髪に焼いた肌、派手なネイル……大好きな「平成ギャル」に変身して、専属モデルの座を勝ち取った ©平松市聖/文藝春秋

――それはうれしい変化ですね。

らん 正直、「私が平成ギャルを流行らせた」と思っています(笑)。だって、数年前に「平成ギャル」として誌面に出ていたモデルは、私くらいでしたから。

――平成ギャルが流行り始めてから、具体的に感じている変化はありますか?

らん あります。最近は、街中でも盛り髪の子を見かけるようになりました。あとは、街を歩いていると、私のお母さんと同世代の方から「懐かしい!」と声をかけられることが増えました。渋谷にいると、外国人の方から「写真撮っていい?」と聞かれることもあります。

――日本のギャル文化は、海外の方にも注目されているんですね。

らん そうみたいです。自分が好きでやっていることが、誰かの思い出と繋がっていたり、カルチャーとして注目されたりするのは、素直にうれしいです。

――一方で、ギャルの外見をしていることで、何か苦労されることや、大変なことはありますか。