色々難しい問題は過去にもある。拉致問題の解決ということについて、日本政府は3つの項目を挙げている。それは、第一にすべての拉致被害者の帰国、次に調査の問題であり、真相の究明、そして実行犯の引き渡しである。これらのことは、宋大使を窓口にして話しても難しいであろう。
共和国からの説明についても、日本側として理解するのが難しいことは多い。共和国が新しい指導者の時代になり、組織も変わり、金正恩国防第一委員長体制下になったのだから、解決できるのではないか。安倍―金正恩の間で関係が前進することによって、米、中、韓との関係についても、一気に改善の契機になるのではないか。難しい国際情勢の中で、金正恩体制が安定的に維持されることは、日、米、韓、中にとっても、最重要の大前提になるのではないか。そうしてこそ一気に解決できるのではないか。
まずは日本が過去を清算すべき
(宋大使)非常に率直に話してくださり感謝する。先生のお話は、ひとことで言うと、朝日関係は改善されてよいはず、また改善されなければならない、ということになるのではないか。そのために、引っかかっている問題を解決すべきであり、最高指導者同士の関係が進むべきであると言われた。そうすれば、中国、米国等、周辺との関係も改善できるという趣旨と理解する。我々の見解も、飯島先生の見解と大きな差はない。率直にお話し下さったので、私も、自分の心の中にある考えを率直に申し上げる。
※本記事の全文(約3万7000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(飯島勲+文藝春秋編集部「横田めぐみさん奪還交渉記録」)。この他にも、北朝鮮首脳との会談について飯島氏自身が記事や動画で語っています。
